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79話 二人は抱き合った

「昔よく使ってた方法よ」


千秋が振り返り、力也達に説明した。


「私達昔ね、同期の頃同室でね、いつも喧嘩ば

 かりしてたの」


「嘘だろ、お前ら仲良しで有名だったじゃない

 か」


「最初の頃、似た者同士の性格のせいか、もめ

 てばかりいたの」


「で、千秋が提案したの」


メイサが千秋の言葉を引き継いだ。


「喧嘩になりそうだと感じたら、感じた方が抱

 き付きすぐ謝ると」


「今のか奴か」


「そう、そうすると、喧嘩にならないの」


「そんな事でもめ事が収まるのか、本当に?」


「収まったでしょ、現に」


千秋がニコリと笑った。

メイサとは手を握りあったままだ。

余程再会が嬉しかったのだろう。


「誰に聞いたんだ、そんな方法」


「私の母さん・・・」


少し寂しさをにじませると


「でもこの方法覚えててくれて、ホント嬉しい」


又、二人は抱き合った。


「でも、なんでメイサはここにいるの?」


改めて聞く千秋に


「誘拐されたの、あいつに」


銀グールを指さした。


「俺たちも似たようなもんだよな、千秋」


「本当なの、千秋達も誘拐されたの?」


「うーん」


雪を見ながら


「誘拐と言うか、自主的と言うか、少し微妙

 だけど」


「グールが誘拐だなんて、おかしいと思わない」


「私達のグール感、だいぶ違うみたいよ」


「グール感?」


「ハンター組織から聞かされていたグール情報、

 随分間違ってるみたいなの」


「全部幽厳村正のせいだ」


吐き捨てる力也。

余程幽厳の事が嫌いだったのだろう。

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