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71話 弾

浜田と共に開発した、グール討伐用の弾が目的

だったと察したメイサは、焦った。

とにかく今持っているこの弾をどうにかしない

と。


いっそ飲み込んでしまおうか。

いやまて、それでは解剖されたら御終いだ。

死ぬのは怖くないが、解剖されるなんて嫌だ。

それならいっそ丸ごと食べられた方がましだ。


メイサの考えは頭の中で堂々巡りをしていた。


「どうかされましたか?顔色が悪くなりました

 よ」


「と、トイレに行きたくなって、トイレ、案内

 していただけませんか?」


そうか、トイレに流してしまえばいいんだ。

そうすれば、何事もなかったかのようにこの弾

を処理できる。


「おお、それは気が付きませんで、そう言えば

 ここにはトイレがございませんでしたね」


言いながら、銀グールは内ポケットに手を入れ

ると


「そうそう、言い忘れていましたが、この弾な

 んですが」


銀グールは一発の弾丸を取り出すとメイサに差

し出した。

真っ赤な弾だ。

メイサ達が開発した、グール討伐用の弾丸に似

ている。


「これって」


「そうです、あなたと浜田さんが開発されたグ

 ールに効くとか言う弾なんですが」


メイサは銀グールと弾を交互に見返した。

素手で掴んでいる。

本来ならば銀グールの指先が溶けてこなければ

いけないはずだ。


溶けていない。


偽物だ。

メイサを動揺させるための偽物の弾に違いない。


「ミトコンドリアに注目されたのはさすがです。

 人間界の宝ですよね、メイサさんは」


ミトコンドリアの事まで知っているとは・・・

どこからこの情報が漏えいしたのだろうか

知っているのは、浜田とメイサ二人きりしかい

ないはず。


浜田が裏切るとは考えにくい。

元々この研究は、大半が浜田の考えによる結果

だ。

浜田が考え、浜田が作ったといっても過言では

ない。メイサはその手助けをした、それだけに

すぎないのだから。

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