表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

70/253

69話 食べたいのなら、早く食べてよ

銀グールは一瞬固まったかに見えたが、直ぐ


「最近のグールは食に関しても多趣味になり

 ましたからね。」


「あらそう」


「どうです?熱いコーヒーでも」


「ご厚意は感謝するけど、今は飲みたい気分

 じゃないの」


「最近お飲みになってないんじゃないですか」


メイサは銀グールを睨んだ。

銀グールの余裕が気に入らない。

上から見下されている気がするのだ。


「私がコーヒーを飲もうと飲まないと、あな

 たには関係ないわ、それともコーヒー飲ま

 ないと私の味が良くならないの」


「あはは、こりゃ手厳しい。どうしても私は

 食べないといけないのかな、メイサさんを」


銀グールはゆっくりメイサに近づいた。

思わずお尻を浮かしかけたメイサに


「座っていいですか?」


銀グールの態度は相変わらず紳士的だ。


「勝手に座ったら?」


「ご機嫌がお悪いようで」


銀グールは首を振りながら、ゆっくりソファ

ーに座った。


「当たり前でしょ、人をさらってきて、こん

 なガラスの牢に閉じ込めて、機嫌が良いわ

 けないでしょ」


メイサは又お尻を浮かすと


「私を食べるんだったら早く食べなさいよ」


そんなメイサの言葉を無視して


「どうです、ひとつゲームをしませんか」


「ゲーム?」


話を見事にはぐらかされた。

それも気に入らない。


「推理ゲームです」


「そんな事あなたとする義理はないわ」


「まあそう言わず」


「まず名乗りなさいよ、人をさらってきて、

 仮面かぶって、ゲームしようなんて、頭

 おかしいんじゃないよ」


「この混沌とした世界に住んでいたら、頭もお

 かしくなりますよ。メイサさん、そうは思わ

 れませんか」


「だから、まずは名乗りなさいよ」


メイサは立ち上がった。

こんな、のらりくらりとした、話し合いは性に

合わない。

結論が欲しいのだ。

私をどうしたいというのだ。

食べたいのなら、早く食べてよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ