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67話 捕らわれたメイサ

黒木メイサは周囲を見渡した。

とんでもなくだだっ広い部屋だ。

壁の色は真っ白

研究室のようだ。


奥には色んな実験道具が置かれているから、

研究室には違いないだろう。


科学者メイサとしては何を研究してるのかみた

い気もするが、エアカーテンで遮られている。

行くにいけないのだ。


そうか、自分は捕らわれているのだった。

この部屋に。


徐々に思い出してきた。

グールに連れてこられたのだ。


幽厳村正と新しい武器について話している時突

然空から銀グールが現れ、何かの薬品を嗅がさ

れメイサは気を失った。


気が付けばこの部屋にいた。


メイサを連れてきた銀グールはどこにも見当

たらない。

感触からあのグールが男だったことは記憶に

ある。


歩き回ってみると、エアカーテンは広い部屋の

中央部を四角く囲ってあり、その中にメイサは閉

じ込められているようだ。


例えれば、透明の檻の中に閉じ込められている状

態だ。


その割に心は穏やかだ。

メイサを誘拐してきた銀グールの穏やかな雰囲気

が、メイサから恐怖感を拭い去った気もする。


いつものメイサなら半狂乱でもおかしくはない。


その冷静さが、よりメイサを冷静にさせていく。


こうして閉じ込められているのは、少なくともす

ぐに命を絶とうとは思っていないようだ。


おそらくメイサに何か用があるのだろう。

食べるだけに襲ったのであれば、窓際近くにいた

幽厳村正を捕えた方が早かったはずだ。


わざわざメイサを、しかも眠らせて運んできたの

だから、目的は自分だ、メイサはそう自覚してい

た。


一体何を聞き出したいのだろうか。

新しく開発した、グールに効く弾丸の事だろうか。


それにしてもグールが空を飛べるとは始めて知った。


人類のグール対策用の武器が遅々として進まないの

に、グールは単体で空が飛べるようになっている。


人間とグールの科学の差は開いていくばかりだ。


あの研究室でグール対策用として武器の開発に携わ

ってきたが、まともな研究員がいない。

馬鹿と言うのではないが、基礎が全くできていない

ので、応用も効かない。


これは日本の研究だけにかぎらず、世界中の研究所

も同じだと聞く。


メイサとメイサの助手の浜田岳が、世界で有数の科

学者と称されているのだから、人類の知能の凋落ぶ

りは言わずもがなだ。

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