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65話 俺は千秋と一緒だ

千秋をかばう力也の左手も大鉈おおなた

に代わっている。


「それそれ」


雪は手をもとに戻すと力也の大鉈を指さし


「それ変だと思わない」


千秋と力也は顔を見合わせた。

言われてみれば確かにそうだ。


「人間でそんな芸当できると思うの」


「じゃあ、私達・・・」


千秋はそこで言葉を止めた。

この先は言いたくない。

思いたくもない。

口が裂けても言いたくない(言葉)だ。


「その秘密、知りたいと思わない」


「秘密って」


「何故あなた方の腕を武器に変えることがで

 きるのか、何故前より強くなったか、その

 訳知りたいと思わないの」


「それは」


「漫画の世界じゃないんだから、急に突然変

 異なんかするわけないでしょ。それには相

 応の訳があるのよ。それを教えてあげるか

 らついてらっしゃいって、そう言ってるの」


「千秋どうする」


力也が小声で千秋に聞いてきた。


「あら、坊やは来なくていいのよ、私が用の

 あるのは千秋ちゃんだけ」


「それはダメだ」


力也が気色ばんだ。


「俺は千秋と一緒だ。千秋だけを連れて行く

 のは俺が許さん」


「まあ、仲がいいこと。でも坊やはダメ、来る

 のは千秋ちゃんだけ」


「千秋行くな、そんな女の言う事聞く必要ない

 ぞ」


「知りたくなければこなくていいのよ、でも

 知っといた方がいいと思うよ、私は」


雪はくるりと体を一回転させた。

立場が逆転した。

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