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64話 私と一緒に来てほしいの

「御礼って、私に何をお望みなんですか」


「そんな怖い顔をしない。千秋ちゃんの魅力は

 笑顔にあるんだから」


千秋の鼻先をつつくと


「私と一緒に来てほしいの」


「どこに?」


「来ればわかるわ」


「嫌です」


「わ、なにその即答は」


「嫌な事は嫌だと、昔からそう言う事にしてま

 すから」


「うーーん困っちゃったな。来てもらわない

 と私困っちゃうんだな」


「どこに行くんですか」


「あっち」


雪は北の空を指さした。

千秋との会話を楽しいでいる。


「用がそれだけなら、私行きますから」


「どこに行くの」


今度は雪が同じことを聞いてきた。


「どこって」


「千秋さんはどこにも行けないのよ、今は、ハン

 ターから追われているんでしょ、実家はもう廃

 墟で誰も住んでいないでしょ、行くとこ無いじ

 ゃない」


痛いところを突いてきた。

雪の言う通りだ。


まさかハンターの本部に帰るわけにはいかない。

所持金も、まさかこんなことになるとは思ってい

ないからほとんど持っていない。

ホテルに泊まるにしても、二三日泊まればすぐ底

をつく。


「雪さんに心配していただかなくて結構です」


「言い方が悪かったわね。これからの宿泊場所提

 供してあげるからついてらっしゃい、ね、これ

 ならいいでしょ」


「嫌です」


もうこうなったら意地だ。

何が何でも行ってやるもんか。

千秋は唇を尖らせ、空を見た。


突然雪は自分の手をナイフに変えた。

腕づくでも連れて行くつもりなのか。


力也が咄嗟に千秋をかばった。

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