表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

55/253

54話 失礼ね人間よ、、多分

男は千秋の剣を取ろうとしたが、剣が千秋から

離れない。


「剣を手放せ、このハンター野郎」


「私女性よ」


「ハンターに男も女もない、どいつもこいつも

 くそくらえだ」


どうやらこの男もハンターを憎んでいるようだ。


「剣を放せと言うのに、首を飛ばされていいの

 か」


「放せないわよ、私の身体の一部なんだから」


言うと千秋は剣を腕に戻した。

結果的に男と千秋は手をつなぎ合った状態にな

ってしまった。


「な、、なんだ、気色悪い、貴様グールか」


男は千秋から飛びのくと、大きく距離を取った。


「失礼ね、人間よ」


言いながら


「多分」


千秋は小首を傾げた。

自分でもはっきりしないのだ、

今の状態が、人間なのかグールなのか。


「俺の妹はどこだ」


「あら、華ちゃんのお兄さんなの」


驚く千秋に


「華はどこだといっているんだ」


「華ちゃんなら大丈夫よ、それよりあれをどう

 にかしないと」


千秋は海岸でうごめく半魚人の群れを指さした。


「お前らがあそこまで増やしたんだろうが」


「別に私達が増えてって頼んだわけじゃない

 わよ」


「あいつら、戦う相手の能力によって分身の数

 を決めるんだ、最大限の分身をしたと言うこ

 とは、お前らが強いと踏んだんだろうな」


「あの半魚人の事詳しそうね」


「詳しくはねえ、ただ、生きるために観察して

 るだけだ」


「本体はどうやって見つけたらいいの」


「そんなの見つけれたら、俺も苦労はしないさ」


「じゃあいい、私が見つけるから」


千秋は又、視線を半魚人の群れに戻した。


「俺の質問にまだ答えてない!」


男は千秋に切りかかった。

千秋は、刃を片手で掴むと、男から剣をもぎ取

り、遠くに捨てた。


「な、、なんだお前、女だろうが」


「何訳のわからない事言ってるのよ、あなたが

 言ったんでしょ、ハンターに男も女も無いっ

 て」


「じゃあハンターなのか」


千秋はしばらく黙ると


「5時間前まではね」


相変わらず視線は半魚人を見たままだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ