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46話 決めた。私が守ってあげる

「仲間って私の事」


「当たり前だろうが」


「ふーん」


千秋は不思議な感じで力也を見た。


「私達仲間だった」


「仲間だろうが」


力也がすり寄ってくる。


「ちょ、ちょっと寄らないでよ、周りの人が変

 な顔してるわよ」


「それは俺達が入った時からだ」


力也は席を千秋の横に移すと


「千秋は俺の仲間だ。俺は仲間が困っているのに

 見捨てたりはしない」


「私困ってなんかいないけど」


「馬鹿いえ、ハンターに追われるんだぞこの先、

 ズートだ、捕まるまでな」


「私捕まらないもの」


力也は千秋をまっすぐ自分の方に向きなおすと


「前から言おうと思ってたんだけどな」


目が又紫に輝いている。

真剣な証拠だ。


「なによ」


思わず身構える千秋に


「千秋、楽天的すぎるぞ」


千秋は思わずずっこけそうになった。


「私が?結構人から根暗って言われる方が多い

 のに」


「それは皆千秋の本質をしらないだけだ。千秋

 は楽天的すぎる」


思わず(あんたに言われたくないわよ)と言お

うと思ったが、紫の瞳に免じて許してあげた。


「千秋は知らないんだ。幽厳の怖さを。あいつ

 ズートお前を狙っていたんだぞ」


「狙うって、どういう意味で」


「それは」


力也の顔が真っ赤になった。

それだけで、力也が思う(狙う)の意味は想像

はできた。


まったくもって、単純で馬鹿正直。

幽厳といる時は幽厳にばかり目が行き、力也の

事はまったく無頓着だった。


それは裏を返せば信頼していた証でもある。

力也は大丈夫、そう思っていたから、敢えて力也

は無視できたのだ。


思い起こせば、幽厳村正に助けられた覚えは一度

もないが、戦いの最中、いつも千秋の盾となって

戦っていたのは力也だった。


確かに放ってはおけない。


千秋は決めた。

力也は私が面倒見てあげないとこの先ロクな事

にはならない。


この馬鹿正直さは今の世の中では致命傷だ。

決めた。私が守ってあげる

あなたが私を仲間と言うなら、私もあなたを仲間

と認めてあげる。


だから、あなたは、私が守ってあげる

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