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43話 ハンター組織は無い方がましだ

「千秋お前これからどうする気だ」


洒落た喫茶店で千秋と力也は向かい合っていた。


グールの出現以来喫茶店などほとんど閉店して

いたが、それでも食糧調達のためにはお金が必

要だから、最低限度の社会活動は行われていた。


この店もその一環で開店しているのだろう。


それでも小奇麗なせいか店内は客で満員だった。

千秋達が現れると客の半数近くが一気に店を出

て行った。


ハンターの制服効果だろうか、とにかくハンタ

ーは嫌われている。


どのみち幽厳には見つかるだろうから、コソコ

ソ逃げ隠れしていても始まらない。


堂々としてましょう、私達は何も悪いことなん

かしてないんだから、という千秋の言葉に力也

も従っている。


それに、なんといっても強くなっている。

いや、強くなれると言った方がいいか。

とにかくハンターに見つかってもどうにかな

るだろうと、恐ろしいほどの自信がついてい

た。


「どうするって、力也はどうするのよ」


「俺は」


力也は千秋を見たがすぐ視線を外した。


「反乱軍に戻るの」


「戻らん」


「どうしてよ」


「千秋には関係ない」


千秋は目の前にあるケーキと紅茶には手を付

けていない。

食欲がわかないのだ。


食いしん坊の力也も手をつけていない。

何か変だとは思っているのだが、(その事は)

怖くて話題にできないのだ。


「どうして反乱軍なんかに入ったのよ」


「この状態を見れば想像はつくだろ」


力也は喫茶店の状況を手で示した。

千秋達の周りには誰もいない。

ハンターを、今ではハンターの制服見ただけ

で人が避けていく。

一般市民はハンターを怖がっているのだ。


「あんなハンター組織は無い方がましだ」


軽くテーブルを叩いたつもりが、思いのほか

大きな音がして店内の客が縮みあがった。

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