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31話 ハンター本部

栗原千秋達がいたハンターの日本本部は20階建

てのビルの最上階にあった。


ビル全体がハンター組織のビルで、千秋達が所

属していたハンターの各部隊は最上階に部屋を

与えられていた。


というより、力関係で部屋割りが決まっていた

と言った方が適切だ。


力のある者が好きな部屋を取り、弱い者は隅へ

と押しやられていく。

まさに弱肉強食の世界がハンター組織の中にま

で、まん延していた。


最上階の廊下の真ん中を幽厳村正が難しい顔で

歩いている。


とおりすがる隊員達は幽厳の姿を見つけると慌

てて廊下の端に寄り、直立不動で幽厳に敬礼し

た。


ハンターとしての実力もさることながら、国家

安全管理省の長官であり、幽厳財閥の御曹司と

くれば、逆らえるものはいない。


20階建てのこのビルも幽厳財閥の持ち物である。


幽厳一家に逆らうことは即、死を意味していた。

力也が幽厳村正が来てからハンター組織の枠組

みが変わってしまったと言ったのは、あながち

ウソではない。


幽厳村正が敷いたハンター組織の鉄の掟は、裏

切り即ち即死刑。この合言葉の元、密告、裏切

りが横行し、いつしか隊員相互間の信頼関係が

無くなっていったのだ。


規律厳守の愛言葉を隠れ蓑に、略奪、凌辱を好

き勝手に行うハンター達は今では人間をグール

から守るのではなく、人間をエサにグール狩り

を行うと言う、本末転倒の様相を呈し、人間達

からは、グールより恐れられる存在になってい

た。


幽玄村正は、国家安全管理省、長官室に入ると

最敬礼の部下に上着を投げ捨て、指先で隊員を

外に出るよう指示した。


葉巻を咥え、火を付けると電話を鳴らし部下か

らの報告を聞いた。


千秋と力也を取り逃がしたとの報告だ。


「ハンター4隊で女とデブを捕まえられなかっ

 たんだな」


電話の向こうで部下が言い訳をしているのだろ

う。

幽厳の表情がどんどん険しくなって来た。


失敗は仕方がない。

しかし言い訳は許さん。

言い訳は自己保全の表れだ。

自己保全の強い奴は、追い詰められれば必ず

組織を裏切る。

絶対服従の気持ちが無い証拠だ。


幽厳村正は相手の話を全て聞き終えず、受話器

を置いた。

置くと同時に別場所をコールすると


「栗原千秋と竹内力也を捕えに行った連中を全

 て逮捕しろ」


命令だけ伝えると受話器を叩きつけた。


これでいい。

これで、失敗をすればどうなるか隊員たちは骨

身にしみてわかるはずだ。

失敗は即、死だと。

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