表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

29/253

28話 力也の復活

力の差は圧倒的だった。

まるで大人と子供の喧嘩だ。


千秋は両サイドからかかって来たハンターを軽

く跳ね除けた。

軽く触れたつもりだったが、二人のハンターは

屋上の際まで跳ね飛ばされた。


想像以上の力の差だ。


千秋の力に他のハンター達がたじろいた。

一様に狼狽の表情が漂っている。


二人、又無謀にも千秋に挑みかかっていたが

両腕を折られその場でのたうち回った。


これは効いた。

他のハンター達は、数歩退くと、交互に顔を見

合わせている。


明らかに(恐怖)という表情を漂わせている。

千秋が一歩進むと、ハンター達は数歩退いた。

闘いを避けている。


横目で力也を見れば、千秋の闘いを見て驚愕

はしているが、その体からは紫の陽炎が漂っ

ている。


苦痛で歪んでいた表情も、今は精悍そのものだ。


薬は間違いなく効いた様だ。


力也はそのまま一番先頭にいたハンターを掴む

と投げつけようとした。


「力也加減して、そのまま投げたら地上に落下

 するわよ、その人」

「あん?」


言われたことを理解したのだろう。

力也は男の横っ面をひとはたきすると、男を

ハンターの集団にそっと投げ返した。


横面を張られた男は口から泡を出して気絶し

ている。

期せずして、どよめきがハンター達から沸き

起こった。

完全に戦意喪失状態だ。


殺すことには興味を示すが、自分が殺られる

側になると、途端に腰が引ける。

最近のハンター達の特徴だ。


「千秋、完全に俺復活したぞ」


千秋は時計をチラッと見た。

薬を飲んでもう二分立っている。


「このまま逃げるわよ、力也、私についてこ

 れるかしら?」


千秋はわざと挑発的に言うと、全力でその

場から立ち去った。


「馬鹿野郎、回復した俺が女のお前にまける

 わけがないだろ」


力也も千秋の後を全力で追った。

意識が目の前のハンター達から、千秋の挑戦

的な言葉に移ったのだろう。


驚いたのはハンター達だ。

いきなり千秋の姿が目の前から消えると、続

くように力也の姿も消えたからだ。


ハンター達の動体視力では千秋達の姿を追う

ことが出来なくなっていたのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ