229話 普通の女の子よ
「幽厳村正も同じことを言ったの?」
「ああ、近い未来異変が起きる。その異変の
後幽厳村正に力を貸すよう頼まれた」
疑問が沸いた。そこで
「その見返りは?」
丸山に聞けば
「力を強くしてやると」
「で、強くなったの?」
「多少はな、藤木にはその力の強さが役にたっ
たが、お前にはてんで歯が立たなかった、ま
がいものだな、幽厳村正が与えてくれた力は」
どうやら丸山はわかっていたらしい。
自分が幽厳村正に操られていた事を。
幽玄が丸山を強くしてくれた(気)の中に幽厳
村正のコントーロールキーが忍ばされていたの
だ。
「やはり、まがいもので強くなるのは危険だっ
て事だな」
苦笑する丸山に
「じゃあ、私達の仲間になってくれるの」
「この先何が起きると言うんだ」
「よくわからないけど、地球が破滅すると」
「何言ってるんだ、グール化でもうすでに地球は
ガタガタだ」
「もっとひどく破滅するらしいの」
「なんだ、それ?」
丸谷の苦笑に
「私にも実は詳しいことがわからないの、おそら
く幽厳村正なら何が起きるか具体的に知ってる
と思うの」
千秋は正直に明かした。
「幽厳村正は怖い奴だ。あいつは昔から何を考え
ているのかわからない奴だった、しかし、奴が
力の強さを崇拝していることは間違いない。
俺に相通じるものがある。
そう言えば、栗原千秋だったな、栗原は心を読
む術があるんだろ、だったらその術で幽厳村正
の心を探ってみればすぐわかるだろうに」
「でも、この能力は今あなたと戦って手に入れる
事が出来た能力なの、だから幽厳村正から情報
を得ようとすればまず、幽厳村正に接触する必
要があるの」
「そうか」
丸山は腕を組むと
「幽厳村正と会うのはやめとけ、栗原も強いが、
幽厳村正はもっと強い、あいつは何かに魂を
売って力を手に入れたと聞く、勿論噂レベル
の話だがな、しかし、あいつと会うと、芯か
ら恐怖を覚える、あいつに会うことはやめと
け、あいつは、栗原を殺そうと必死だからな」
幽厳村正が放つ恐怖感は千秋にもわかる。
二度と合いたいとは思わない相手だ。
しかし、情報を得る為なら・・・
「それとな、栗原が敢えて幽厳村正を探さなく
ても必ず向こうから来るはずだ、あいつが栗
原に持つ執念は並外れていたからな」
「何故私に固執するのかしら」
「言ったろ、栗原は特殊なんだから」
「私は普通の女の子よ」
「普通の女の子か、はははは、よく言うよ、普
通の女の子に俺は完敗したのか、あははは」
丸山は豪快な笑い声を上げると、芯から可笑し
そうに笑った。




