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194話 ばれたか

「メイサさんは特別だったのよ。力也君は大

 丈夫、だから藤木君は自信を持って訓練や

 ってくれたらいいのよ」


「雪さん!」


千秋が雪を諌めた。


「何を持って大丈夫と言うのよ」


「千秋さんの異種ミトコンドリアは力也君が持

 ってる異種ミトコンドリアとは違うのよ」


「どうゆう事?」


「メイサさんが持っていた異種ミトコンドリア

 は普通のグールが持っている異種ミトコンド

 リアとはタイプが違うの」


「タイプ?」


「ざっくり言うと、メイサさんが持っている異種

 ミトコンドリアは性格が悪いって事かな」


言うと雪はケラケラと笑った。


「何それ、その冗談笑えないわ」


「あら千秋ちゃん、そんな顔しないの。綺麗な顔

 が台無しよ。性格が悪いとは例えね。つまり個

 性が強すぎると言い換えることができるわね」


「個性が強すぎるから、どうだと言うのよ」


「取り込むことが難しくなるのよ、メイサさんの

 ように」


「じゃあ俺の異種ミトコンドリアは性格が良いと

 言うのか」


「そう。素直だから、抵抗なく力也君に従うはず

 よ。元々異種ミトコンドリアの取り込みは簡単

 にできるはずなの、時折メイサさんのように強

 烈な抵抗をする異種ミトコンドリアがいるけど、

 力也君は大丈夫」


「そんなの、外部から見るだけでわかるの?」


千秋は中々納得しない。

とにかくメイサの時と同じ目には本当にあいた

くないようだ。


「匂いでわかるの」


千秋はジッと雪を睨むと


「嘘でしょ」


「ばれたか」


雪は舌をだした。


「でもわかるのは本当よ。なんとなく感覚でわ

 かるのよ。私には」


今度は雪が千秋を見つめると


「多分千秋ちゃんにもわかると思うんだけど」


「私にはわかんないわ」


千秋は即座に否定した。

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