193話 力也君は大丈夫
「どうしたの藤木君、訓練頼むわよ」
「でも・・・僕は」
「お願いします」
力也は更に伸ばした腕を近づけた。
「僕訓練したことないじゃないですか」
藤木は雪に向かって叫んだ。
「えっ?!!」
千秋と力也は同時に雪を見た。
「初めてじゃないでしょ」
苦笑しながら言う雪に
「いえ、まだ一度も」
「さっきしたじゃない」
「さっきって・・彼女の訓練?」
気持ちよさそうに寝息を立てているメイサを
指さした。
「そう」
「でもメイサの訓練は雪さんが」
言う千秋に
「訓練なんか誰がしても同じことよ、結局
最後は本人次第なんだから」
「それを言ってしまいますと・・」
藤木は頭を掻いた。
雪の言い方は少し極端すぎる。
「でも、メイサだって危なかったじゃない、雪
さんが適切なアドバイスを入れてくれたから
辛うじて助かったんじゃないですか」
千秋は必死だ。
メイサと同じような事が力也にも起き、又千秋
が出張るようなことにでもなれば、もう体力が
持ちそうにない。
ここははっきりと、自分を当てにしないでほし
いと理解してもらわなければ。
「もう私は無理です。メイサので一杯一杯、力也
まであんなんになったら責任持てませんから」
「力也君は大丈夫」
雪はニコリと笑うと
「だから、さあ藤木君、力也君の訓練やってく
れる」
「ちょ、ちょっと待ってくれよ、なんだか俺心
配になって来たんだが」
力也もオロオロしだした。




