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191話  げっ・・違うよ

「メイサは大丈夫なんですよね」


近づいてきた雪に千秋は尋ねた。

寝息を立てているメイサの髪を撫でながら。


「勿論大丈夫よ。でもしばらくは目を覚まさな

 いわよ。メイサさん全気力を使い果たしてい

 るはずだから」


「でも、その隙を狙って他の異種ミトコンドリ

 アが襲ってこないのですか、まだいるんでし

 ょ。メイサの中に異種ミトコンドリアが」


「彼女のと言うより、私達の中に潜む異種ミト

 コンドリアは元々は私達の分身と言うより、

 私達そのものが異種化しただけだから、本体

 の良心に準じるのよ。メイサさんが嫌うのは

 卑怯な振る舞い。異種ミトコンドリアもメイ

 サさんの心の核に挑戦してくるとしても正々

 堂々と挑戦してくるはず。だから心配ないわ」


「そう・・・」


わかったような、わからない説明だが、とにか

く大丈夫ならそれでいい。

千秋は大きく息を吐くと、メイサの横に腰を

下ろした。


「千秋お前大丈夫か。顔色が悪いぞ」


ちらり力也を見上げると千秋は小さく舌打ちをし

た。

こいつも、紫の陽炎を立ち上げるんだ。

メイサの赤い陽炎で危うく殺されるところだった。

顔色も悪くなって当然だ。

力也には申し訳ないが、同じ陽炎上げのタイプと

してその鬱憤、吐きだしたいくらいだ。


「それはそうと、今度は俺の番ですね」


力也の顔が輝いている。

メイサの次に自分が訓練を受けるつもりである。


「何言ってるのよ、今のメイサの状態見たで

 しょ、ダメ、もう駄目、訓練なんかしちゃ

 あだめ!」


千秋は強く言い切った。


「いいじゃないか、いざとなったら、又千秋

 か雪さんが俺を助けてくれるんだろう」


力也の顔が妙にニヤついている。

どうせろくでもない事を妄想しているんだろう。

千秋は立ち上がると、力也の頬を拳固で軽く叩く

しぐさをした。


「何すんだよ」


ジリ下がりする力也に


「私的には、何妄想してるんだようと言いた

 いわ」


「げっ、千秋俺の心の中読めるのか」


「ええ、読めるわよ。そのドスケベな妄想

 気持ち悪いぐらい読めるわよ」


「げげ・・違うよ。これはだな・・つまり」


「ばーか。読めるわけないでしょ」


これ以上喋らすと、何を口走るかわからないので

千秋は慌てて訂正した。

単純と言うか、素直と言うか、千秋の言う事なら

何でも信じてしまう。

やってられないわ・・・


千秋はもう一度深いため息を吐いた。

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