181話 もっともっと強くなる必要がある
雪との通信を察知したのか異種ミトコンドリ
アは又メイサに躍りかかった。
かわしたつもりが難なく捕獲され、又あちこち
の壁に叩きつけられた。
訓練だと言うのに、何なんだ、この激痛は。
あまりの痛さに気絶しそうだ。
それにしても、強い。
強すぎる。
歯がてんで立たない。
この異種ミトコンドリアもメイサの一部だと聞
いたが、信じられない強さだ。
何度も、何度も叩きつけられ、メイサは段々怒
りが湧いてきた。
どいつもこいつも、勝手な御託ばかり並びたて
答えを教えてくれない。
ふざけるのもいい加減にしろというのだ。
又メイサの身体から赤い陽炎が立ち始めた。
「むん!」
何気に全身に力を入れると、弾かれるように異種
ミトコンドリアがメイサの身体を離した。
「何これ?」
身体中に気が充満している。
ポカポカし、とても気持ちがいい。
「ひょっとして・・・」
「私よ」
千秋の声が頭に響いた。
「一部充電完了」
「何よそれ」
「私の侵入を拒絶していたメイサが心を開いて
くれたおかげで、私の力をメイサに流し込む
ことが出来たの。ほんの少しだけど」
メイアにそんな覚えは無い。
どうやら壁に叩きつけられ、異種ミトコンドリ
アに意識が集中したことが良かったようだ。
「私、千秋に助けられたの」
「ううん、違うわ。私も感じたことだけど、メイ
サと私のミトコンドリアが共鳴し合って、お互
いのレベルがグーンとあがったの。メイサを強
くすることにより、私も強くなったの」
「つまり、私のお蔭で千秋も強くなれたと」
「そう」
千秋がきっぱり言い切った。
「そう、そうなんだ、じゃあ、いい、千秋、もっと
強くして上げる、だからもっと私と共鳴し合いな
さい」
意識の片隅で雪が苦笑している気も感じるが、そん
な事はどうでもいい。
確かに強くなった感じはする、しかしこの程度では
目の前の異種ミトコンドリアに勝てそうな気がしな
い。
もっと、もっと、もっと強くなる必要がある。




