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17話 あなたは強くなる必要があるの

落としそうになった薬瓶をかろうじてつかみ直

すと千秋は雪を見た。

目で早く飲むよう促している。


「どうしてこれを私にくださるの」


暫く黙ったままの雪はゆっくり口を開くと


「あなた達があまりに弱すぎるからよ」


冗談とも本気ともわからない表情で微笑んで

みせた。


「あ、でも持続時間は三分よ、三分しか持たな

 いから気をつけるのよ」


雪の顔の部分から、銀の陽炎が薄れてきた。

わざとしているのだろう。

表情がより鮮明になっている。

名前のように白く透き通るような肌だ。


「さあ早く飲むのよ」

「何故こんなことを私にするの」

「言ったでしょ、いずれ仲間になるあなたがこん

 なに弱くては、私が困るの」

「仲間?私があなたの仲間に」


千秋は指先を手に当てた。

無意識に親指の爪を噛むと、思わず歯で爪を噛ん

だ。


「爪を噛むんじゃなく、その薬を飲むの、そうす

 るとあなたは強くなれるのよ、三分間だけだけ

 ど」


千秋の肩をポンポンと叩き、加えた千秋の指を口

から外すと


「さあ、飲んで戦いなさい、このS級グール達と」


片方の手で止めていた赤と白のグルーを開放する

と、そのまま女を抱く銀グールの元に上がって行

った。


解放された赤グールと白グールは、上空に飛び上

がった銀グールには手が届かないと感じたのだろ

う、千秋に向かって飛びかかって来た。


「ち、千秋逃げろ」


呆然と立ち尽くす千秋に、正気を戻したのだろう

力也が大声で叫んでいる。

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