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168話 誰なの私を殴るのは

メイサは目を開けた。

真っ暗だ。

どうして自分がこんな暗いところにいるのか

理解できなかったが、やがて暗闇にもなれ落

ち着いてくると事態が飲み込めるようになって

来た。


 訓練だ。

訓練と称してメイサが最初に部屋に入った。

身体中が熱くなり、やがて耐えきれなくなり何

かが吹き飛んだ感覚があり、そのまま意識を無

くしたのだが・・ここはどこなんだ。


ゆっくり立ち上がり、頭を振ってみた。

妙に身体が軽い。

両手を広げてみたが、手が無い。

手の感覚はあるが手が見えないのだ。

顔を触ってみたが、するりとすり抜けて行く。


手が透明だからすり抜けるのか、顔が無いから

すり抜けるのか、よくはわからないがとにかく

肉体の感覚が無い。


立っている自覚はあるが肉体そのものの感触が

感じられないのだ。

 空に浮いているという感じとも違う。

自然に溶け込み、大気の中に自分が混ざり込んだ

そんな感覚だ。

意識の境はあるが、肉体の境が見当たらない。

何なんだ、この不思議な感覚は。

これが訓練なのか?


突然遠くの方にチラリ、明かりが見えた。

明かりに千秋の香を感じた。

千秋がいるのか?

あそこに。

じゃあ行かなければ。

千秋が困っているのならば、助けに行かなければ


メイサは明かりのする方向にゆっくり進んだ。

実体は感じられないが、間違いなく進んでいる認

識はある。

不思議な感覚だ。


突然痛みが腹部に走った。

腹部を見ても、腹部は無いが、それでも痛みは感

じた。

誰かに殴られた感覚だ。


「ばーか」


突然聞き覚えのある声が頭の中に響いた。

千秋だ。

千秋の声だ。


千秋の香はもっとずっと先だったはずだ。

そこに向かって進んでいるのに、今千秋の声が

目の前でした。

すぐそこでだ。


又鈍痛。

殴られている。

誰かに


「痛い!」


肉体は見えないが、痛みは感じる。

間違いなく殴られている。

誰だ、

誰なんだ、私を殴っているのは。


メイサは身構え、当たりを見渡した

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