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166話 メイサと私仲が良かったのかしら

雪は目の前にある、ひときわ大きな肉片を指で

触った。パシッと火花が飛び、雪が反射的に腕

を縮めた。


「大丈夫ですか雪さん」


慌てて雪に駆け寄ろうとする千秋に


「千秋ちゃんはその大きな奴、ちょっと触って

 みてくれる」


雪は手を振りながら、千秋の横でうごめく大き

めの肉片を指さした。他のより少しピンクがか

っている。


「ビリッとこないの?」


雪が指を弾かれたところを見ていたので、千秋

は慎重だ。


「こいつが異種ミトコンドリアに間違いはない

 わ」


雪の指を弾いた肉片のことだ。


「こいつがあちこちのミトコンドリアを呼び込

 むのを止めているから、その間に千秋さんは

 メイサさんの心の本体と交信してほしいの」


「交信って、どうすればいいの?」


「その肉片に私がしたように指を触れるだけで

 いいの」


「ビリット来るんじゃないの」


「メイサさんがあなたの事を嫌ってなかったら大

 丈夫よ」


「嫌うって・・・」


嫌われては無いが、好かれてもいないはずだ。

千秋はそう思っている。

千秋が幽厳村正に誘われ、ハンターのアカデミー

から抜け、科学者になったのは、千秋との折り合

いが悪かったからだと思っている。


最初の頃こそメイサとは仲が良かったが、アカデミ

ーの訓練が本格化し、千秋との優劣がはっきりわか

るようになると、二人の仲は徐々に険悪になって行

った。


千秋はいい意味でライバルだからと割り切っていた

が、周りから聞こえてくる噂では、メイサはそうは、

思っていなかったようだ。


「仲が悪かったらどうなるの?」


「私のように指を弾かれるだけよ」


雪は異種ミトコンドリアが入っているミトコンドリ

アを淡いピンクの膜で覆った。

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