157話 始めるわよ、訓練!
「おーい千秋まだか」
外に出た力也から声がかかった。
「あ、いけねえ、千秋早く行かないと、雪さん
達待ってるんだった」
メイサが慌てて千秋を促した。
やはり千秋が中々こないので呼びに来たのだ。
「ゴメン、ゴメン」
千秋は慌てて用意をした。
王子様の記憶を思い出すと妙に眠くなる。
昔から子守唄ならぬ、子守夢としてみてきたの
で条件反射のようになっている。
しかし、これはこれで便利だ。
眠れない時、この想像をすると必ず数分後には
眠くなる。
千秋にとっては睡眠剤代わりだ。
「早く行くわよ」
メイサに促され外に出ると、力也が千秋から慌
てて目を反らした。
千秋の下着姿がまだ、脳裏に残っていたのだろう。
「ゴメン力也」
謝る千秋に
「あ・・いや、いいんだ、さ、早く行こう」
真っ先に駆けだして行った。
「なによあの男、妙に張りきっちゃって」
メイサも長い髪をゆらしながら、力也の後を追
った。
広いホールでは雪と藤木が何やら話し合ってい
る。
訓練の打ち合わせでもしていたのだろうか、ホ
ワイトボードに何やら書きながら面持は真剣だ。
千秋の元気そうな姿を見ると、雪は顔をほころば
せた。
「すみません、つい寝ちゃいまして」
「いいのよ、どこも具合が悪くなければ」
雪は少し深呼吸をすると、一つ手を叩いた。
「始めるわよ、訓練!」




