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14話 銀グールは敵なのか味方なのか

絶対絶命だ。

どうにもこうにも手が無い。

栗原千秋はただ立って白グールを睨みつけるし

か方法はなかった。


動いたのはグールの方だった。


突然白グールが青グールの元に後退した。

続くように赤グールも青グールの元戻った。


幽厳が口をあけてあんぐりしている。

とても戦いの最中に見せる表情ではない。


自分でも気づいたのか頭を振ると、千秋に上空

を指さした。

上空を見ろと言うのだろうか。


幽厳が指さした上空に目を移した千秋も又幽厳

と同じように小さく「えっ!」と叫ぶと口元を

開いたまま視点が釘付けになった。


上空には銀色に輝くグールが二人空に浮かんで

いた。


「なあにあれ?」

「銀グール」


思わず幽厳も唸った。


青グールと同じ陽炎の出方は銀色と言う以外ま

ったく同じだった。


「あいつらの援軍か!」


幽厳の言葉よりも


「空を飛べるのグールって」


空に浮かぶ驚きの方が鮮烈だった。

人間が空を飛ぶ、いや浮かんでいるところなど

見たことが無い。

S級グールは空に浮かぶこともできるのか。


「どうしようもねえな、これじゃあ」


幽厳にいわれるまでもなく、三人のグールだけ

でもお手上げ状態なのに、ここに空浮かぶグー

ルまで現れてはもうだめだ。


しかし、援軍にしてはおかしい。


千秋は三人のグールを観察した。

あきらかに三人のグールも驚いている。

呆然と立っている姿からはとても援軍が来たよ

うには見えない。


頭を寄せ合い、何やら相談している態度からは、

さっきまでの余裕は微塵も感じられない。


「幽厳なにか変よ」

「ああ、あいつら、仲間じゃないみたいだぞ」

「仲間じゃなかったら、少なくとも私達にと

 っては救いかも」

「敵の敵は、味方ってことになるしな」


千秋はフト気づいて後ろを見た。


「あっ」


小さく叫んだ。

いると思っていた赤ん坊を抱いた女性がいない

のだ。

慌てて周囲をみれば、今度は幽厳が唸った。


「どうしたのよ」

「上を見てみろ」


言われてもう一度上空を見た千秋は、今度は

声をあげて叫んだ


「なんで?」

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