137話 ダメ、力也が粉々になる
幽玄村正に飛びかかっていった力也だが、幽厳
が片手で振り払うと、力也はそのままビルの壁
に吹っ飛んだ。
「嘘・・・」
あまりの勢いにメイサが唾を飲み込みながら千
秋に言った。
「あれ、あの幽厳?」
千秋は何も答えず、じっくりと幽厳村正を睨み
つけた。
強いと言うレベルではない。
怪物、いや、底知れぬパワーを感じる。
ゆっくり起き上がった力也の動向も心配だ。
今幽厳は軽く力也を振り払っただけだ。
それなのに力也は壁にたたきつけられた。
力也の受け身技があったから、起き上がること
が出来たが、そうでなければ、今頃は壁に叩き
つけられ、身体はぐしゃぐしゃになっていても
不思議ではない。
「力也やめなさい」
千秋は又飛びかかろうとする力也に覆いかぶさ
ると、身体を張って力也を止めた。
「千秋、どけ、どけってのに、あの野郎俺の仲
間を喰いやがった」
力也の体からは紫の炎が漂っている。
この状態になれば、力也の力も常の数十倍に上
がっているが、いかんせん、幽厳村正から受け
るパワーのエネルギーは桁外れだ。
幽玄がその気になれば、間違いなく三人は跡形
もなく消滅させられるだろう。
「力也、聞いて、落ち着いて」
千秋の制止も聞かず、力也は千秋を振り払うと
再び、幽厳村正に飛びかかって行った。
「このハエが」
またも力也を片手で振り払う幽厳は、飛んで行く
力也の片足を掴み直すと、一気にエネルギを充満
し、力也の体を爆発させようとした。
「ダメ!」
千秋は思わず目を閉じた。
力也が粉々になる
「やめて!!」




