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131話 俺達三人は仲間だ

「じゃあ俺は二つのミトコンドリアをやっつ

 ければ人を食べなくてもよくなるわけだな」


「そう、やっつければ」


力也のやっつけると言う表現が面白かったの

か雪は思わず笑った。


「でもどうしてやっつけたらいいんだ、方法が

 わからないけど。第一、そいつら俺の体の中

 にいるんだろ、殺ってしまったら俺も死ぬん

 じゃないのか」


言っていることは幼稚でも力也は本質を捉えて

いる。

自立ミトコンドリアといえど、元々は力也の細

胞だ。

自分で自分の細胞をやっつけるなどできないし

出来たとしても本人も傷ついてしまう。


「肉体が直接戦うわけじゃないの」


ニコリ笑いながら雪は力也の頭を指で叩いた。


「この中で戦うの、君と、君のミトコンドリア

 とは」


「精神戦!」


メイサが鋭く叫んだ。


「なら安心だ。私千秋と違って直接戦うの苦手で

 しょ」


「俺にはメイサの方が強そうに見えるんだが」


「馬鹿」


力也を蹴ると、メイサは髪をかきあげながら


「じゃあさっそくやりましょうよ、その精神

 戦とやらを」


「ちょ、ちょっと待って、その前に約束して

 ほしいの、千秋ちゃんとメイサさん、北王

 子母娘を助けに行ってくれるって」


「そ、それは・・・」


メイサは千秋に救いを求めた。


「私は最初から行くつもりだったからいいわ

 よ」


「ちょっと千秋、何よ、この裏切り者」


「待て、二人が行くなら俺もついて行く」


力也が声を張り上げて雪の前に立った。

対応がいちいち大袈裟だ。


「俺達三人は仲間だ、離れ離れになるわけには

 いかない、俺は絶対ついて行くからな」


「ちょっと、いつから私達仲間になったの」


メイサが小声で千秋に聞いた。


「いいじゃないの、力也がああいうなら。それ

 に本当の事でしょ、私達元々はハンターで仲

 間だったんだから」


「そりゃそうだけど」

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