表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/253

12話 グールが話せるなんて

「あなた達、私達の言葉がわかるの」


千秋は青グールにたずねた。

今までの流れから見て、青グールがこの三人

のリーダー格であることは間違いない。


白と赤グールが戻ろうとするのを青グールが

止めた。


「う、嘘だろ」


間違いなく組織立っている。

驚く力也は千秋を見た。

どう考えても千秋の言葉を理解しているとし

か思えない。

千秋もそう思ったのだろう


「喋れるんなら何か言いなさいよ」


大声で叫ぶと


「人間はもろい」


青グールからくぐもった声が響いた。


「しゃ、喋られるのね」

「お前たちの力の限界はそこまでか」

「なんだと!」


力也が前に出ようとするのを、幽厳が止めた。

本部から知らされている以上に、このグールは

進化している。


「私達の力がこの程度だったら、どうだと言う

 のよ」

「お前達を過大評価しすぎていたようだ」


後ろで、赤と白グールが笑い始めた。


「おい幽厳どうなってんだよ」


薄気味悪くなったのだろうか、女の手を引きな

がら、力也が幽厳のそばまで歩み寄って来た。


「俺にもさっぱりわからん、とにかくここは千

 秋に任せてみよう」



「あなた達いつから話せるようになったの」

「おい、いつから話せるようになったか、だと

 よ」


赤グールが又嘲笑した。

力也の肌から、かすかだが紫の陽炎が立ち上っ

ている。

相当頭にきているようだ。


「最初から話せたさ」

「嘘!」

「やはりそうか」


幽厳の言葉を聞くと赤グールが


「ほー、お前さんは、わかっていたのか」

「会議の席でお偉さんに言ってきたんだが取り

 合ってもらえなくてな」

「お前さんが幽厳村正なんだな」


赤グールが幽厳に近づいて来た。

会話が、千秋と青グールから、幽厳と赤グール

に移ったようだ。


「なんで俺の名前を知っている」

「ハンター幽厳グループの活躍は俺たちの間で

 は鳴り響いているからな」

「そりゃ、光栄だ」

「だから戦い方を観察していたのだが、まるで

 子供じゃないか」

「どう言う意味だ!」


力也の興奮がどんどん上がってくる。


「ハンター随一のチームの実力がこの程度だっ

 たとは、情けなくて笑えてくる」


力也の興奮が面白いのか、赤グールはどんどん

辛辣な言葉を浴びせてくる。


「グールのくせに偉そうにするな、人間を喰ら

 う化け物じゃないか、お前らは」

「お前らだって牛、豚を喰らってるだろうが」

「人間と豚とは違う」

「違わんさ、強いものが弱い者を喰らう、これ

 は自然の摂理だ」

「何をごちゃごちゃわからんことをほざくか、も

 う我慢できん、うーーーー」


力也の身体から、瞬間紫の陽炎が出ると、赤グー

ルーにとびかかって行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ