127話 さすがメイサさん
「私は行かないわよ、絶対に」
メイサは腕組みをして天井を向いている。
テコでも動かない態度だ。
「私は科学者なんだから、戦いなんてできっこ
ないし、まっぴらよ」
「よく言うわよ、さっき、メイサ率先して戦っ
ていたくせに」
苦笑する千明に
「あれはやむにやまれず」
取りつく島がない。
相変わらず腕組みし天井を向いたままだ。
「メイサさんの科学者としての能力に目を付けた
元木博士が是非会いたいと、決して戦うと言う
意味じゃないいですよ」
雪がメイサをとりなすと。
「あら、私の科学者としての能力に元木博士は魅
せられているわけ」
「そうなの」
雪は大きく頷いた。
「北王子母娘は一体何者なの」
横から千秋がたずねた。
「彼女達は・・・」
雪は返事に屈したのか、伊集院に助けを求めた。
「あの母娘は千秋さん達と同様、やはり特殊なん
です」
「どう、特殊なんですか」
「自立ミトコンドリアの数が多いんですよ」
「じりつミトコンドリア?どう言う事?」
千秋は振り向いてメイサにたずねた。
「私だって知らないわよ。大体自立ミトコンドリ
アって何よ?」
「DNAに匹敵するミトコンドリアの事」
少し考えていたメイサは
「さっき言ってた、ミトコンドリア自体に核が
存在するミトコンドリアの事?」
「そう、さすがメイサさん。すぐ理解しちゃう
のね」
雪はメイサを持ち上げてきた。




