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106話 終わりの始まりって

ゴキブリの化け物、ブースを簡単にやっつけて

しまった事実は三人を新たな恐怖に落とし込ん

でいた。


自分達は人間ではなくなったのではないかと。


「ねえ、グール化って空気感染するの」


千秋はメイサにたずねた。


「そんなの聞いたことないわよ」


言下に否定したメイサだったが、自信はなさそ

うだ。

イメージしただけで手首が銃に変えられる自分

の能力はまさにグールの特性そのものだ。


「そうだよな、おかしくなったのはあの銀グール

 にあってからだもんな」


力也の声は泣きそうだ。


「変わって行く感じがするの」


「変わる?」


千秋が遠くの方を見つめながら話し始めた。


「力也が言ったように、雪さんが私達の前に現れた

 でしょ、その時私感じたことがあるの」


「何を感じたの」


「時代」


「時代!」


メイサと力也は同時に声を発した。


「そう時代。時代って巨大な壁がね、ドドンって

 崩れ落ちるイメージ」


「なあに、それ、意味が分かんない」


「グール化が始まってもう10年、私達どんどん退化

 してるって感じしない?」


千秋はメイサにたずねた。


「退化っていうか、確かにどんどん悪くはなってい

 ってるわね」


「何かこう、人類にとって、あの瞬間が終わりの

 始まりって感じがしたの」


「なあに、終わりの始まりって」


「私にもわかんない、イメージなの、単なるイメー

 ジ。でもあの時漠然と感じていた感じ、今ははっ

 きり感じるの、あの時が間違いなく、終わりの始

 まりなんだってこと」

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