104話 できるんじゃないかと
「でもさあ」
言うメイサの顔は火照っている。
ブーストの戦いで眠っていたハンターとして
の能力が蘇ったのだろう。
「凄いよ、私達あのゴキブリの化け物倒しち
ゃったんだ」
塵一つ残ってない道路の上を見つめながら、メ
イサの瞳は虚ろだ。
「俺達いいチームになれそうだよな」
「今更チーム組んで何と戦うのよ」
これまた、興奮気味の力也に千秋だけは冷めて
いた。
怖いのだ。
日々強くなっていく自分の能力が、とてつもな
く怖くなってきたのだ。
「何でブースが冷凍光線に弱いってわかったの」
冷静になったメイサが千秋に聞いた。
「あいつ冷凍光線発する時、口の周り少し燃え
ていたの」
「燃えてる?」
「そう、口の周りが凍るの防いでいたのよ、だか
ら、閃いたの、あいつ冷凍光線には弱いんじゃ
ないかって」
「で、何で千秋は冷凍光線やら、炎やらがその手
から出せる訳?」
しばらく考えていた千秋だったが、慎重に言葉を
選びながら
「多分、多分なんだけど、私だけじゃなく、メイ
サ達もできるんじゃないかと・・・」
「俺たちも?」
力也とメイサは又目を合わせた。
「そんな能力私達には無いわよ」
「俺にも」
「ううん」
千秋は首を振った。
「説明はできないけど、何となくわかるの、ブー
スを倒した時に感じた、漠然とした勝てる!て
気持ち、あれと同んなじ、何となくなんだけど、
メイサや力也にも私と同じことができるはずっ
て、そう感じるの」
メイサも力也も黙ったままだ。
お互い自分達の手の平を見つめながら、それぞれ
が考えている。




