102話 今よ、メイサ撃って!
メイサの助太刀に向かおうとする力也を千秋は止
めた。
「なんで止めるんだ」
「言ったでしょ、あいつの弱点がわかったって」
「だから何なんだ、メイサを助けに行かないと」
「メイサならもう戻って来たわよ、ここに」
見れば、いつの間にかメイサも千秋達の所に来
ていた。
「おう、いつの間に」
驚く力也に
「何がいつの間によ」
メイサはぷんぷんしている。
「私を放って、何乳繰り合っているのよ」
「乳くりあうなんて・・」
真っ赤になった力也に
「あんた、馬鹿ねえ、こんなことで顔赤らめて、
もう初心なんだから」
どうやらメイサは、ゴキブリのお化けブースと
遊んでいた感覚だ。
「あいつ取り柄はでかいだけ。のろまだし、馬
鹿の一つ覚えみたいに冷凍光線吐くしか能な
いし、馬鹿馬鹿しくなっちゃった。倒し方さ
えわかれば、私でも倒せそうよ」
「メイサの言う通り、捕まったらやばいけど、
捕まらない限りブースは怖くないわ。倒し方
わかったから皆協力してくれる」
千秋は二人の顔を見た。
「どうするの?」
「ブースの甲羅壊すから、壊したら、一気に叩
いて」
「壊すって、どうやるんだよ」
「こうするの」
千秋は両手を広げると、ブースめがけて白い光
線を放出した。
光線はブースの黒光りする甲羅を包むと、瞬く
間に甲羅を凍らせた。
「今よ、メイサ撃って!」




