表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

100/253

99話 カンニング

千秋は携帯を取り出すと雪を呼び出した。


「千秋こんな時に、何してんだ」


驚く力也に


「雪さんに聞いてみるわ、あの化け物の攻略法

 を」


力也とメイサは顔を見合わせた。

なるほど、そりゃ手っ取り早い。


携帯で雪と何やら話していた千秋は携帯を切る

と、エネルギーを補充中のゴキブリの化け物を

見た。


「何と言ってたんだ、雪さんは」


「向こうも沢山のグールが襲ってきているようよ。

 だからこちらにはすぐには来れないって、それ

 とブースの攻略法は知らないって、だから適当

 に倒してだって」


「ブースって?」


「あの化け物の名前、雪さんも、噂には聞い

 たことあるけど、まだ一度も見たことも、

 戦ったこともないんだって」


「だから適当にやっつけてと・・・」


メイサは呟きながら


「なるほど合理的な回答だわ」


「メイサ、何感心してるんだ、俺とお前の攻

 撃通じないんだぞ、もう少し真剣になれよ」


メイサは、いきなり力也の顔に自分の顔を近

づけると


「ふーん、力也って、戦いの最中は案外真面

 目なんだ」


「馬鹿野郎、当たり前だろうが」


「戦いの最中は冷静であれ、これハンターア

 カデミーで習ったでしょ」


「馬鹿野郎、実践と机の上の勉強とじゃあ、違う

 んだ!」


「バカバカ、て、力也、あんたねえ、誰のおかげ

 でアカデミー卒業できたと思ってるの、私が科

 学部門に行くまで、テストの答え全て教えてあ

 げていたでしょ、その私に向かって馬鹿は無い

 でしょ、馬鹿は」


力也は黙ってしまった。

メイサの言う通りだ。

実技はぴか一だったが、勉強の方はからっきしダ

メ。

赤点だらけ。


見かねたメイサがテストの度、カニングをさせて

くれていたのだ。


「そうだ、あんたさあ、私がいなくなった後ペー

 パーテストどうしてたの?あの実力じゃあアカ

 デミーの卒業絶対できっこなかったでしょうに」


「そ、それは・・・」


ちらりと千秋を見た。


「呆れた、私の代わり、千秋にやってもらってた

 のね」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ