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東さんと近藤くん  作者: 月鳴
本編
1/7

なぐさみと流星群


 その日は眩しいくらい星が綺麗な夜でした。ナントカ流星群が来たらしかったそうな。わたしは詳しくないから、そこら辺は近藤くんに聞いて欲しいです。



「ねぇ近藤くん、」

「なぁに?」

「星、きれいだね」

「あぁ綺麗だ」

「近藤くん、」

「なんだい?」

「眼鏡はどうしたの?」

「どうやら無くしたらしい」

「それじゃあ、見えないじゃない」

「あぁ見えないね」

「嘘つきなのね」

「そんなことはないさ。知ってるかい?星は心でも見えるんだ」

「…見えないわよ」

「星は生きてる、僕らも生きてる。だから見えるのさ!」

「口下手なペテン師だこと」

「うーん残念」


「あ、流れ星」


「え、どこどこ」

「もう流れちゃったよ」

「そうか。次だ、次」



 わたしたちは無意味に一生懸命、流れ星を探しました。見たら、受験生でもないのに、受かりますように、とか、就活してる訳でもないのに、就職出来ますように、とか。まぁ受験の時に流星群が来るとは限らないから、先に予約みたいな感じでお願いをしました。


「浜崎のことは残念だったな」

「何が?」

「お、自ら心を抉るかい?」

「ごめんなさい」

「素直だな」

「……………ねぇ」

「なんでしょう?」

「眼鏡無いと歪んで見えない?」

「まぁ見にくいけど、」




(あずま)よりはよく見えるね」



 涙で歪んだ視界に入ったのは、一筋の流れ星。



なぐさみと流星群







(あ、流れ星)

(ちっ、また見逃した)

(運がないんだね)

(……負け犬に言われたくないわ)

(戦いもしないやつに言われたくないな)




END

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