星の意志
王家の歴史上、異母兄弟もいとこも存在しない。
王家とは星に仕える血筋の総称であり、星に民を任され、民も信奉したことから発したとある。
星皇は星の声を聴く清らかな星職者。結婚することはない。
星帝は星妃との間に必ず双子の子を授かる。
その子が次代の星皇と星帝。髪の色で分かり、男女の差もない。
星妃は額の印がみつかりしだい王家の星帝殿下(継ぐまでの呼び名)の婚約者として王家の者として迎えられる。ちなみに次代の星帝が女性だった場合、印は男に現れる。この場合「星王」と呼ばれる。
星妃に基準はなく、貴族から平民から全ては星の御心のままに…。
…と言ってもまさか他の星からは初でしょうね。
いささか本当の意味で現実逃避したい。
全ては先代の先代の先代…つまり妃芽たちの祖父にあった。
祖父たる星帝は星皇とも仲良く、星の力に素直な民思いの素晴らしい方ではあったらしい。ただ一つの欠点を除けば。
それは王家史上初といってもいいほど女好きだったとのこと。
殿下時代から女の方にちょっかいをだし、まぁつまみぐいし放題だったらしい(はっきり言わないけどそういうことでしょうが!!)。
その悪癖は星妃を迎えても直らなかったとか…。
それなら星妃を愛していなかったのかといえばそうではなく、きちんと懐妊もした。
ところが生まれた子供は光の髪、光の瞳の男の子が一人。
どんなに探してももう一人はお腹にはいなかった。
光だけの王子。
呆然とする皆に星皇からの知らせが届く。
星がもう一人の王子の誕生を告げた…と。
一人暮らしのある平民の娘が子供を産んだ。
闇の髪に闇の瞳の子。闇の王子を…。
星のもつ光と闇を分けるべく双子として生まれる。
そして均等に分けることで人としてなりたつのだ。
二人の王子は母の命を代償に人となった。
光の髪、光の瞳、光の星皇帝、ライクロース・レステアル=ロクテラン。
妃芽の父は生まれた時から星に愛された皇帝。
闇の髪、闇の瞳、王子、チェサタート・ルイーク=ロクテラン。
今現在の星皇と星帝の父はただのバランサーとして王家に存在していた。
過去話に入りました。
もう少し続きます。