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名前の意味

『』は日本語。「」はロクーム星共通語になります。


 何?何!何!?

 落とした手紙を慌ててかき集めて続きを食い入るように読む。読み進めていく文章のあまりの内容に呆然としたまま、頭を素通りしていく。

 とりあえず分かったのは

 父様がこの星の生まれで、ここは地球ではない。もしかしなくても私は宇宙人とのハーフとかいう者なのでしょうか。地球であんなに話題になっていた宇宙人は身近にいたのね。まさしく青い鳥。

 


 ……。

 落ち着こう。落ち着くのよ、妃芽。

 そうこの名前。[ひめ]=[姫]=[妃芽]

 姫って漢字を知るまで自然と自分の名前がお姫様の意味だと思ってた。名前の由来を聞いたら「僕たちの大切な姫だから」という父様の満点の笑顔付き。…ホゥ。置いといて。よく考えたらおかしいよね。姫なのに妃の文字。そのままだと妃の芽。芽はやがて花を咲かせ…

 『星妃は額に花の印がある…』

 手紙には父様は私が生まれた時に大地色の髪と星の印を額に見たことで、私がその運命に生まれたことを、自分が地球に送られた意味を知ったらしい。

 そして思ったそうだ。

 これで民が救われる…と。

 …父様はなぜそう思ったのだろう。いずれ私が星妃とやらになるからあんなに大切にしてくれたの?

思いたくないことまで思ってしまう。

 


 『父様…』

 「泣かないでください」

 膜がはったような熱い目の前に出てくる白い布…よりも白いたおやかな手。

 顔をあげると外の闇と同化するような長い黒髪の青年が私をうかがうように、いつの間にかへたり込んでいた私に合わせるようにすぐそばにひざまづいていた。

 その瞳は父様と同じく金色に輝いている。

 「…誰?」

 私がこちら(?)の言葉を話したからか少し驚いた顔をされる。なんてことはない。父様が教えてくれたのだから。二人だけの秘密の言葉だと信じて懸命に覚えた私はなんてこっけいなのだろう。

 「お初にお目にかかります。星の姫君。私は星皇シェスタート・ルイアレク=ロクテランと申します。以後御見知りおきください」

 「ご丁寧なあいさつありがとうございます。私はアマサト・ヒメと申します。いきなり現われてすみません」

 少々の嫌味を込めて感情のこもらない声で返す。

 が、敵もさるもの。

 「いいえ。15年間お待ちしておりましたよ。我が従妹殿」

 さわやかな微笑みの爆弾付きで返すとはなかなかやりますね。

 

 


 

短いですが区切りがいいので。

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