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58 鷹匠 桜井五郎

 三月十二日 桜井五郎は腕のあるたか使いであるという。五郎は実朝の前で鷹使いの口伝、故実などを語った。我が腕を自慢しながら、もずを鷹のように使えると言った。それを見たいと実朝が言うと、すぐにはできませんが後日ということで帰って行った。

 

 三月十三日 実朝は義時と何時間か雑談する。実朝が言う。

「昨日来た者に桜井五郎という者がおりました。鵙で小鳥を捕ることができると言うのです。それを見たいと思うのですが、ちょっと子供じみていますかね」

「五郎が鵙で鳥を捕らえるという技は、かっては有りましたが、今では見られない事です。それが嘘でああればこの先彼のためにもよろしくありません。もう一度尋ねてみるべきです」と、言い終わらないうちに五郎がやって来た。紺の直垂ひたたれ(筒首の水干に対して前あきの和服、当初は庶民の服であったが、庶民出である侍の地位向上により武士の服装となった。下半身は袴を着用する)を着て餌袋を右腰につけ、鵙一羽を左手に止まらせている。

 義時は御簾みすの中からその姿を見て「面白いじゃないか」と言った。そして御簾を上げて「さあ、早くやらせて見ましょう」さらに言う。この時になって広元、執事の三善康信(やすのぶ)を始めとした文官や近侍の武者たち、女房達がどっと出てきた。

 

 桜井五郎は庭に立った。小雀が草の中におり、鵙を放って捕らえた。見ていた人々が、それを見て歓声を上げた。五郎は言った。「小鳥を捕ることは普通のことです。きじであっても変わることはありません」五郎は御簾の前に招かれた。五郎は義時から剣を賜った。


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