チビエマの強さ
馬車はある店の前で停まった。
ブンッ
「へ?」
私がリオン様にエスコートされ、馬車から降りた直後。
何かが私の頬を掠めた。
ドガアンッ
ぶつかったのはチビエマ。
「このわからず屋があっ!!」
チビエマは起き上がると、店に戻って行く。
ドガアンッ
天井を突き破り、空中で二匹のチビエマ達が殴り合いをし始めた。
「杖は、芸術品なんだよ!!」
バキッ
「違う!!実用性だ!!」
ドゴッ
「シュトリン令嬢の杖を作って貰いに来たんだけど、職人兄弟が喧嘩してるから無理そうだね」
……チビエマって……職人も強いんですの!?
チビエマを恨む私はなんて身の程知らずなのでしょう。
いや、恨む気持ちは強いですわ!!
幸せそうなチビエマ許すまじ!!
私は改めて気持ちを切り替えましたが、暫く職人兄弟の喧嘩が頭から離れませんでした。
壮絶な喧嘩は凄まじく、他のチビエマ達が野次馬のように集まってきたので私達は馬車に乗って現場を去りましたわ。
次に向かったのは、マダムオリアンジュの店。
マダムオリアンジュと言えば、世界有数のデザイナーですわ。
ドガアンッ
そんなマダムの店が突然吹き飛びましたわ!!
「芸術は爆発うきゃ!!」
ドガアンッ
オリアンジュが店を爆発させながら、デザイン画を書いてますわ!?
「あっちゃー、爆発モードに入ってるならダメだね」
……爆発モード!?
リオン様の言葉に、私は白目を剥きましたわ。
なんですの!?チビエマの強さは天井知らずですの!?
私はチビエマを見くびっていましたわ。
でも、負けないですわ!!
アスラン様を恨んでいても愛しいのですわ!!
私はふらつきながら、馬車に戻るとレストランに向かうのでした。




