理不尽な逆恨み
翌朝、私はリオン様と食事したあと外出用のドレスに着替えた。
パープルのドレスは派手さが無く、落ち着いた感じで気に入った。
聞けば、リオン様が背格好が似ているリーゼ様を参考に購入してくれたらしいわ。
リーゼ様、どんな令嬢かしら?
早くお会いしたいですわ。
私はリオン様のエスコートで馬車に乗る。
リンリンリン
貴族が自転車で当たり前のように通り過ぎて行く。
貴族夫人が井戸端会議をしている。
令嬢や令息が使用人の子供達と楽しく遊んでいた。
チビエマ王国では当たり前の光景が、私には新鮮に映る。
「チビエマ王国は変わってるだろう?身分差があっても民と貴族は近いんだ」
「良いと思いますわ、まさに理想でしてよ」
リオン様の言葉に私は重ねる。
「そう言って貰えると嬉しいよ」
「ふふ、それは良かったですわ」
リオン様と私は笑い合う。
私がチビエマだったなら、どんなに良かったか。
愛する人と種族が違うだけで、私の気持ちは不安になる。
私はデコタラ王国で、いつも虐げられていた。
だから、幸せそうな人を見て私は怒りを感じる。
勿論、チビエマにも。
何不自由無い幸せさがどんなに良いか。
リオン様には言えない。
チビエマを羨み、憎んでることを。
アスラン様を愛してるけど、憎しみも抱いてる。
自分は虐げられ、チビエマは脚光を浴びていたからだ。
理不尽な逆恨みは、私の心を支配していた。




