流れ星が降る夜に
今日は雪がつもった。
だから、僕とママは雪だるまを作った。
そんな日の夜、きらきら願い星が一つ夜空を流れた。
そして、また一つ、きらきら光って誰かの願いを叶えるために願い星は夜空を流れていた……。
※「冬の童話祭2026」参加作品です
ある雪がつもった日の夜。
僕は、目がさめた。
窓の外には、今日ママと作った小さな雪だるまがある。
僕の手で、丸くしたんだよ。
その雪だるまをママは、ほめてくれたんだ。
それを思い出した僕は、その雪だるまを見にいった。
すると、きらきら星が一つ!
また、一つ!
暗い夜のお空を流れていった。
その星を見た僕は、お願い事をしなくっちゃって思った。
だって、流れ星にお願い事をすると叶うってママが言ってたもん。
だから、僕は次のきらきら流れる星がきたら、絶対にお願いするんだって決めた。
そうしたら、きらきら流れる星が見えたんだ。
でも、その星はそのまま落ちてきた。
「うわーー!!」
びっくりした僕は大きな声を出して窓から離れた。
でも、何にもなかった。
「あれぇ? 音もないし、気のせいだったのかな?」
そう思った僕が窓に近づくと、僕が作った雪だるまが動いた。
頭を ぷるぷる振ってたんだ!?
「マ、ママー!!」
びっくりした僕はママを呼びに行った。
けど、ママはいなかった。
どうして?
わかんないけど、パパだ!
「パパ! 雪だるまが動いた!!」
だけど、パパもいなかった。
どうして?
どうして、ママも、パパもいないの?
「わーーんっ! ママ、パパ、どこ?」
悲しくなってきた僕は泣いちゃった。
すると、
「おい、何で泣いとるんや?」
て、声をかけられた。
でも、ママも、パパもいないこのおうちには僕しかいないのに……?
「うわーんっ!! どろぼうさん!! ママと、パパを返して!!」
だから、そう思った僕は叫んだ。
「何や? わいは泥棒やないで?」
でも、その声の持ち主はそう言った。
僕が作った雪だるまだったけど、おじさんの声でそう言ったんだ。
「ぼ、僕が作った雪だるまが、しゃべったぁ!?」
「せやで。でも、わいは雪だるまでもないで?」
「でも、僕が作った雪だるまだい!」
「あいたっ!? 何すんねん!!」
イラっとした僕は、その雪だるまにデコピンした。
すると、お決まりの言葉が返ってきた。
「わぁ! 関西弁だぁ!
しかも、きらきら光った!?」
「何や? 急に元気になってからに……」
そんなきらきら光って、関西弁を話す雪だるまを見てたら、
僕の悲しい気持ちはどこかに行っちゃった。
そして、僕はその雪だるまと、いっぱい話したんだ。
その雪だるまは、『えだしく』って処から来たんだって。
そして、名前はないんだって。
だから、僕は『だしやん』って名前をつけたんだ。
けど、「何でやねん! 何でわざわざそこを取ったねん?」って言われたから、
しぶしぶ、『えだやん』にかえてあげた。
そうしたら、『えだやん』は、「当然やで!」って言って、気に入ってくれたみたい。
きらきら光ったもん。
そんな『えだやん』はお願い事を叶える旅の途中だったんだって。
けど、お空から落ちちゃったみたい。
「ドジだな~」って僕が言ったら、
「だまらっしゃい!」って言って、『えだやん』はきらきら光った。
でも、『えだやん』と楽しく話してたのに、『えだやん』が急に元気がなくなっちゃった。
「えだやん、どうしたの?」
「……わいな、そろそろ空に帰らなあかんねん」
「何で!?」
「わいは流れ星やからに、夜空を流れて願いを叶えなあかんねんな」
「嫌だよぉ! えだやん、行かないでぇ!!」
「おぉおぉ……。ぼんは男の子やろ? そないな事で泣いたらあかんで?」
「えだやんだって泣いてるよぅ……」
「せやなぁ……」
そう、『えだやん』の目から、きらきら光る涙が流れたんだ。
それを見逃さなかった僕が言ったら、『えだやん』も、いっぱいきらきら光る涙を流したんだ。
それを見たら、僕の目からも、また涙がきらきら流れちゃった。
それからそんな僕と、『えだやん』は、いっぱいきらきら光る涙を流した。
二人で、わんわん泣いちゃった。
でも、僕は『えだやん』の言う通り、男の子だ。
もう、泣かない。
『えだやん』と別れるのは嫌だけど、わがまま言わずに『えだやん』とお別れする事にした。
その事を『えだやん』に言ったら、
「さすが ぼんは、男の子やな!」って言って、『えだやん』は、きらきら光った。
それから僕達はお外に出た。
すると、まだお外は暗かった。
「あぁ、ぼん。ここまででええで」
「うん……」
「せないな顔したらあかんで? ぼんは、男の子やろ!」
そう言った『えだやん』は、すんごくきらきら光った。
そして、びゅー!って、お空に一気に帰っちゃった。
『えだやん』は、ずるい……。
『えだやん』は泣いてるのをかくすために、そうやって逃げたんだ。
そんな『えだやん』に、いっぱい言ってやりたかったけど、僕はこう言った。
「えだやん、ありがとう! もう、落ちたら、だめだからね!!」
そして、お空に向けて笑った。
だって、『えだやん』がきらきら光ると僕が笑うって『えだやん』は知ってたから。
だから、僕に笑ってほしい『えだやん』は、あんなにきらきら光ったんだ。
それがわかってた僕はそうしたんだ。
すると、きらきら流れ星が一つ!
お空に流れて、きらきら太陽になった。
そして、きらきら太陽は、僕が作った雪だるまをきらきら光るお水にしちゃった。
そのお水を見た僕は、またかなしくなった。
けど、泣かない。
僕は『えだやん』の言う通り、男の子だもの。
だから、泣いたりしないんだ。
そう、思った僕は笑った。
すると、
「おーーい!」
て、パパがきらきら光る太陽の光の中から出て来たんだ。
「パパ!? どこに行ってたの?」
「ごめん ごめん! 急だったから」
「きゅう?」
「そぉーだ!!」
僕と話してたパパの目からも、きらきら光る涙が流れた。
でも、パパは、すんごく笑ってた。
どうしてかな?
僕はどうしてか、わからなかった。
けど、ぎゅうぅって、僕をだきしめたパパが教えてくれた……。
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「おめでとう! 今日からお兄ちゃんだ!」
お・わ・り ☆彡
ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました!
えぇ…、何でこうなったのやら…(汗)
プロットは大分前から出来てたのですがねぇ…。へへ♪
気を取り直して…。
今回は御存じの方も多いでしょうが、『しぶんぎ座流星群』を題材にしました☆
…って言っても、知らない人の為に、にわか紅pの星空のお話♪
『しぶんぎ座』とは?
ラテン語名 uadrans Muralis
漢字では、「四分儀座」と書くらしい…。
Quadrans Muralis とは、「壁面四分儀」の事で、
位置天文学で天体の位置を観測する為に使われた機器です。
そして、この機器を使用して発見されたのが『しぶんぎ座』にゃのだ!
でも、今はこの機器は使われていない…。ふふふ♪
し、しかもですね、この『しぶんぎ座』はその機器で発見されたのですが、
この付近に色んな大人の理由で後から『りゅう座』とかが設定されちゃいまして…。
今は悲しい事に『しぶんぎ座』は使われてないのです。
で、後から設定された『りゅう座』の『ι星』近辺が輻射点となって
この流星群は地球にお目見えするのです…。
…にわかにゃんで、あまり、つっこまないでね!!
んで、『りゅう座ι星』の別名が『エダシク』と言われています。
と言う事で『えだやん』はここから来たのですな☆
ちなみに『エダシク』はアラビア語で『ハイエナの牡』という意味があるのだ!
何か格好いいでしょ? にゃはは♪
そして、この『しぶんぎ座流星群』は国立天文台によると、
毎年12/28~1/12に見れるみたいです。
そして、1/3~4に極大を迎え、いっぱい流れ星が現れるので、
皆様も夜空にきらきら光る『えだやん』を探してみてはいかがでしょうか?
…でも、今年の『しぶんぎ座流星群』の流れ星がいっぱい見れそうなのは、
2026年1月4日6時頃と予想されています。
そして、その年の1月3日は、満月!?
『えだやん』、がんばって満月に負けない様にきらきら光るんだ! 紅pでした☆彡




