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19話「緊迫の採用面接」

新卒採用の季節。田中は、面接官として同席することになったが、緊張のあまり言葉が出ず、面接官としての役割を全く果たせていなかった。面接を受けている学生の緊張も高まっていく。


「田中くん、もっと質問してあげないと。その子が緊張してるだろう?」


ベテランの面接官である人事部長が、田中に優しく促す。しかし、それがプレッシャーとなり、田中の顔が真っ青になる。


「パードゥン?」


その瞬間、ドォォォン!と轟音が響き渡り、田中は「パードゥン田中」へと変貌した。面接室の椅子が彼の体重でギシギシと音を立てる。


「緊張? とんでもない! 最高の面接を、今ここに!」


パードゥン田中は、面接官の席から立ち上がると、面接を受けている学生の前に仁王立ちになった。そして、学生の履歴書を手に取ると、彼の目から光線が放たれ、学生の潜在能力、隠れた才能、そして未来の可能性までをも瞬時に見抜いていく。彼は学生に対し、まるで未来のビジョンを語るかのように、的確な質問を投げかけ、学生の真の姿を引き出していく。


「君の強みは、表面的な知識ではない。その奥に秘められた、未知の探求心だ! 我が社には、君のような人材が必要だ!」


そのあまりの的確さと迫力に、学生は涙を流しながら、自分の本心を語り始めた。そして、彼の言葉を聞いた面接官たちも、学生の真の魅力に気づかされる。


「すごい…! あんなに緊張していた学生が、あんなに生き生きと…!」

「我々には見抜けなかった、学生の真の才能だ…!」


その最中、パードゥン田中が面接室の壁に手をついた際、その手から放たれた微細なエネルギーで、なぜか面接室の雰囲気が非常に穏やかになり、面接官と学生の間のコミュニケーションがスムーズになった。


「田中くん! 面接は平等に行うものよ!」


斎藤さんが、田中の暴走を止めるべく面接室へと駆け込む。


「斎藤さんか! これもまた、究極の人材発掘だ! 未来の仲間を見出すのだ!」


「見出すのはいいけど、学生を怖がらせちゃダメでしょ! 宇宙拳・才能の開花!」


斎藤は、田中の巨大な体に触れると、彼が放っていた過剰な探求心を穏やかに鎮めていく。すると、田中の質問が、より優しく、そして学生の心を解き放つような言葉へと変化し、学生は安心して自分の思いを語り始める。斎藤の存在が、面接室全体の雰囲気を、温かく、そして建設的なものへと変えた。


田中の体が元のサイズに戻り、彼は自分が面接で何をしていたのか分からず、ただ斎藤の顔をきょとんと見つめていた。


「さ、斎藤さん…私、また…」


「ううん、大丈夫。あなたのおかげで、最高の採用ができたわ。あの学生さんは、きっと素晴らしい社員になるわよ。それに…」


斎藤は微笑んだ。そして、採用面接後、田中が壁に触れたことで、長年原因不明だった面接室の空調の故障がなぜか直っており、さらに採用された学生の入社後の定着率が劇的に向上したことが判明した。採用面接は、まさかの「人材育成の奇跡」という、感動的な結末を迎えたのだった。

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