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04


 リルシェさんことノルシェさんは、まさにその件の当事者でした。



 ふたり旅を始めたばかりの頃の召喚者モノカさんと守護騎士ノルシェさん、


 旅先で出会ったのは、とある宿屋の看板娘マクラさん。



 成人の半分という幼さながら賢さも優しさもおとな顔負けの働き者。


 少しでも早く宿のご主人であるお父さんの助けになりたいマクラさんは、


 フライングでの固有スキル『鑑定』を、


 旅の巡回神官ヨレンさんにおねだりしちゃう。



 結果は大当たり。



 マクラさんの固有スキルは、あり得ないほどの超希少スキル。


 世間バレしたら多数の国々による実力行使の奪い合いが起きかねないほどの。


 

 マクラさんを守るためお父さんとモノカさんの講じた策は、


 養子としたマクラさんをモノカさんが保護しながら、


 超希少スキルの世間バレを防ぐ方法を探して世界中を巡るという、覚悟の旅。




 その後、チームモノカは数々の冒険を乗り越え、


 旅先で出会った人たちの助けもあって見事にスキルの完璧な隠蔽に成功。


 今はマクラさんも平穏な生活を送ることが出来ているそうです。




 ---




「ヨレン神官の護衛任務をリルシェとして完遂させたかった私の失策です」

「せめてノルシェであることを明かしていれば、もっと早くお悩みに気付けていたのに……」



 ヨレン神官のお悩み、神官としての矜持ゆえの後悔でしょうか。



「確かに未成年のマクラをスキル『鑑定』したのは神官として逸脱行為」

「でもマクラも私たちも、出会いを紡いでくれたヨレン神官に感謝こそすれ、恨む気持ちなど全くありません」



 マクラさんのステータス隠蔽に成功していたことは、


 ヨレン神官もすでにご存知だったのですよね。



「当時の私たちは魔族領との行き来に今ほど慣れておらず、信頼のおける方にヨレン神官宛ての言伝をお願いしたのです」

「そうやって人づてにせずマクラと一緒に直接会って伝えていれば、こんなことにはなりませんでした」

「かくなる上はチームモノカの総力を挙げてヨレン神官の心の曇りを晴らさねばなりません」

「申し訳ありませんが、この件は私に一任させてもらえませんでしょうか」



 ……存分に腕を振ってきてください。


 今回は、リルシェさんでもありノルシェさんでもあるのですね。


 何と言いますか、凄く男前ですよ。



「いえ、それを言うなら"乙女前"なのですっ」




 ---




 マクラさんを連れてヨレン神官に会いに行くため、


 リルシェさんはエルサニア王都へ向かいました。



 俺は今回もお留守番ですが、全然寂しくはありませんよ。


 今はただ、チームモノカの想いがヨレン神官に届くことを祈るのみ、です。



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