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03


 永らく保留となっていたヨレン師匠のお願いごと。


 教え子さんたちに宛てた手紙を届けるはずだったのですが、


 お預かりしていた袋の中に入っていたのは俺たち宛ての一通のみでした。



 師匠、ずいぶん悩んでおられたけど、


 やはり教え子さんへの手紙は書けなかったのかな。



「まずは手紙の開封を」



 リルシェさんのまなざしが、いつになくシリアスモードのような……




 ---




 手紙の内容は、ヨレン師匠の告白でした。



 冒険者だった当時、家族と疎遠になってしまったヨレンさん、


 自らの生き方を見つめ直し、選んだのは巡回神官への再挑戦。



 エルサニア王都の神官修練場で歳若い神官候補たちと共に修行に励み、


 遅まきながら巡回神官の資格を正式に取得。



 ところが、赴任先に向かう旅の途中で神官としての禁を破り、


 未成年の娘さんの人生を変えることとなってしまう。



 まだ幼い娘さんが家族の元を離れるきっかけとなったのは、


 厳守すべき神官規則を破った自身の軽率な行い。



 激しい後悔の念に神官職を辞す決意のヨレンさんでしたが、


 優秀な神官は正当な理由無き離職を許されず、


 魔族領ニルシェ王国への転勤を命じられ、


 それからは二度と同じ過ちを繰り返さないよう、


 神官職に励んできたそうです。




『本当はあの娘さんに謝罪しなければならないのに、


 手紙を出す勇気のない自分を許してほしい』




 師匠……




「なら直接会って話せばよいのです」



 リルシェさん?



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