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錬金堂繁盛記 絵無し版  作者: 三津屋ケン
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039 マスター。頑張ってくださいね。

 素朴な田舎道を2時間ほど歩き、俺たちは『叫びの森』の入り口に到着した。


 途中、何度かエネミーと遭遇戦があったが無事に蹴散らした。

 強さは植物コンビ以上、オオカミズ未満といった感じ。

 昼の俺にはイイ苦戦だ。

 イズミはまた『ファイア・ボール』連発してたけどね。

 時間も無いし、まぁいいよ。


 森番の拠点はガッチリした山小屋だった。

 周囲には柵もある。

 冒険者ギルドと錬金術組合の共同拠点だって言ってたけど。


 そこそこ大きいし結構な人数でも寝泊まりできそうだな。

 いざとなったら頼み込んで泊めて貰おう。





「ようやく来たか。よし、犬も連れてるな」


 大声で呼びかけられた。

 えらくマッシブでイカツイおっさんだ。

 職員さんの言ってた『森番』のヒトなんだろう。

 凄い強そう。殴られたら死ぬな。


「何度か犬も連れない冒険者がきたが、ゼンブ追い返した」


 いや、丁寧に扱ってほしかったです。

 彼らは心優しい人達なので。


「悪いが規則だからな。

 もう昼過ぎだ。時間も無いのですぐ説明するぞ。

 この地図を見ろ。群生地はココだ」


 なかなかに奥地でかつ、分かりにくい場所だ。

 そりゃ一見さんじゃ無理だろ。


 他にもイロイロご指導いただいた。

 マンドラゴラ掘るには幾つか決まり事があるらしいのだ。


 さて、写しの地図ももらって準備は整った。

 急ぐか。時間も無いし。


「じゃあ、マスター。頑張ってくださいね。

 わたしとこの子はココで待たせてもらいますので」


 え、俺ひとりで行くの?


「そうですよ。

 遊んでるのもナンですから素材の採集でもしてますよ。

 イロイロ珍しい素材もあるそうですし。

 お前も手伝ってくれるでしょう?」


 ワンッとイイお返事。いつの間に仲良くなったキミタチ。


「ちょっと待て。ナニを言っている。

 犬抜きで行かせるワケにはいかんぞ。

 マンドラゴラを舐めるなッ」


 マッシブ森番さんが慌てて俺の腕を掴んだ。

 凄い力だ。見た目通りだな。

 骨がきしんでるって。いだだだ。


「このヒトはレアスキル持ちで滅多なコトじゃ死なないんです。

 大丈夫ですよ。特に呪いや即死には特効なので」


「ぬ。レアスキル持ち……。しかも耐性系か?

 うーむ。しかし……」


 ……そうだな。マンドラゴラは呪いの絶叫で相手を即死させる恐るべき作物だ。

 農協でも扱えまい。


 いっぽう、俺は新米だが吸血鬼。

 最初から呪われてるようなモノのアンデッド系。

 イヤな事実だがゾンビやゴーストと同系統の魔物なのだ。

 呪いの即死絶叫、大丈夫かもしんない。うん。


「心配は無用だ。番人さん。

 俺はそういうのに滅法耐性がある。

 絶対に大丈夫。それに」


『怪力』! 


 俺は逆に森番さんの腕を掴み、その巨体をフワリ持ち上げた。

 そのままゆっくり下ろす。

 森番さん、目をパチクリさせてるな。

 ごめん、驚かせて。


「俺は見た目よりよっぽど力があるんです。

 ひとりでも大丈夫」


 一瞬だけだけどね。

 まぁ『怪力』もLVアップして出力とか上がってるのだ。大丈夫だろ。


「それよりこの二人を世話してやって貰えませんか。

 俺が帰ってくるまで。

 森の浅いところで採集とか教えてやってください」


 この筋肉マンがイズミ達についてくれるなら安心安全だ。

 俺もマンドラゴラに集中できる。


 それにだ。


 イズミの企んだこのプラン。

 それを担保してるのが俺のタフさであるのなら、是が非でも応えねばなるまい。

 マスターだからね。いちおう。


 さて行くか。


 問題は、実はオールステ1の激烈弱キャラなことだが。それは根性でカバーだ。

 為せば成る! 俺の空気投げが唸るぜッ!!


「……マスター。ご無事のお帰りを」

「おう。採集は任せた」


 ジト目と気合いを交換し、俺たちはふた手に分かれた。

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