186 お昼寝と変な夢
ふぁーあ、よく寝ました。
いいですね、野外のお昼寝。
大自然に抱かれて満腹モフモフ布団で熟睡。最高です。
戦闘続きでイイ感じに疲れてるのも良いスパイスです。
「ぐぅう」
「くかぁー」
マスターもシロもイビキをかいてよく寝ています。可愛いですよ?
「ぐうー」
本当によく寝ています。……特にマスターが。
はッ、こんなトコロに枯れた雑草が。
1本の枯れた茶色の細長い葉がゴザの上に転がっています。風に運ばれたのでしょうか。
どうして、こんな雑草が。
マスターの鼻の穴をコチョコチョするのに丁度良い雑草が……。
コチョコチョコチョコチョコチョコチョ……。
「はぁ、はふぅ? は、ふぅぅ……。ぐぅ」
うふふふふ。楽しいです。
起きそうで起きない。クシャミしそうでクシャミできない。
そんなもどかしげにモゾモゾしています。
マスター、可愛い。
起きてるマスターもいいんですけどね。マスターぽくて。
寝ているマスターは可愛くていいのです。つい弄ってしまいます。
コチョコチョコチョコチョコチョコチョ……。
ふぁーあ、よく寝た、のだが。
なんか変な夢見たな。
凄いカッコの女王様に、半裸で縛られて鼻をコチョコチョされる夢だ。
意味不明にも程がある。
ひょっとして俺って、そんな願望あるの?
「おはようございます。マスター」
いつも通りのジト目魔女イズミ。安定してるな。
ちょっと顔が見づらいな。
すまぬ。夢の中とはいえ妙な格好させてしまった。
「おはよう、イズミ。どれくらい寝てた?」
「ざっと30分ですかね。お昼寝としてはベストかと」
あー、あんまり寝るとかえって良くないとか言うよな。
「わたしのMPも全回復してます。午後もイケますよ?」
頼もしいな。ニワトリさん達にゃ気の毒だが。
料理は美味いし、戦闘は頼もしい。器量もいいしで満点だ。
ホントによくできた眷族ちゃんだよ。
「ところでイズミ。……その手の枯れ草はなんだ?」
「ナンデモ無いですよ? ただの枯れ草です」
夢の中で女王様が鼻コチョコチョしてきた装備にそっくりなんだが。
「わたしは眷族で女王様じゃないですよ?」
それもそうか……。悪い、変なコト聞いたな。
「切なそうにモゾモゾしてるマスターは可愛かったですよ?」
「やっぱりお前だったんかい!?」