5.望郷の遺構を探索だ
ラティから逃れ、もといラティと別れてやってきました望郷の遺構。
柱がたくさん立った立派な建造物だ。
何かしら強い魔物がいるかもしれない。ここらでステータスを確認だ。
-----------
名前:ラグナ
種族:魔人
LV:8/15[LIMIT]
HP:4930/4930
MP:371/371
攻撃力 [LOCK]
防御力 [LOCK]
魔法力 [LOCK]
抵抗力 [LOCK]
速度 99
-----------
【固有スキル】『異邦の魂』『狭間の???』
【常時発動スキル】『武器解放SS』
【所持スキル】『災厄魔法』『憤怒D』
-----------
この3ヶ月で魔片を手に入れて、LVも1つ上がった。
スキル詳細は以下の通り。
-----------
『異邦の魂』【異なる宇宙から来た魂<このスキルはこの世界の生物には見ることはできない>】
『狭間の???』【???】
『武器解放SS』【武器使用時、武器の威力を限界まで発揮できる。使用後その武器を破壊する】
『災厄魔法』【あらゆる災厄を起こす】
『憤怒D』【憤怒状態時、攻撃力と魔法力が大幅アップ・速度と抵抗力が大幅ダウン】
-----------
『異邦の魂』
これは異世界転生スキルかな。タブレットには表示されているけどこのスキルは他人からは見えないらしい。特に効果も無いのでパス。
『狭間の???』
マジハテナ。何か条件を満たした時にスキルが開花する事もあるとクローバーが言っていたけど、現段階では分からないな。
『武器解放』
俺が武器を持てない原因。武器が壊れるかわりに超火力を出す。
このスキルで沼を破壊した前科があるので戦闘時以外で武器を持たないよう言われている。
『災厄魔法』
特に語るまでもない、災厄を引き起こすMPバカ食い魔法。
『憤怒』
どうやら俺がキレた時に発動するらしい。
多分魔人の声が殺せ殺せ!てコールしてるのはこのスキルが原因なんじゃないかと思ってる。極力封印したいスキルだ。
習得している魔法とスキルポイントはこんな感じ。
-----------
所持スキルポイント:5
火属性LV2 Next:火属性魔法の消費MPを軽減。
∟天属性LV1 Next:天属性魔法の消費MPを軽減。
∟爆発属性LV0 Next:魔法を修得。
∟光属性LV0 Next:魔法を修得。
水属性LV2 Next:水属性魔法の消費MPを軽減。
∟闇属性LV0 Next:魔法を修得。
∟腐食属性LV0 Next:魔法を修得。
∟氷属性LV1 Next:氷属性魔法の消費MPを軽減。
風属性LV0 Next:魔法を修得。
地属性LV2 Next:地属性魔法の消費MPを軽減。
∟金属性LV0 Next:魔法を修得。
∟植物属性LV2 Next:植物属性魔法の消費MPを軽減。
∟創属性LV1 Next:創属性魔法の消費MPを軽減。
-----------
修得スキル
嘘つきの炎 火属性 MP330
伏ろわぬ神の雨 天属性 MP345
六夜の洪水 水属性 MP325
深く昏い国 氷属性 MP330
天牛降臨 地属性 MP300
世界樹の繁栄 植物属性MP350
鍛冶神の三振り 創属性 MP350
-----------
充実してきたけれど覚えていない魔法も多いな。
ひとまず全属性の魔法は覚えていきたい。
次にゲッカのステータスだ。
-----------
名前:ゲッカ
種族:荒野の若狼
LV:45
HP:751/751
MP:292/292
速度:386
所持スキル:
『惨劇の狼』『悪食B』
『解析A』『炎魔法B』『神速A』
『毒耐性C』
-----------
LVがグンと上がって強くなった。
気になってたんだけど『惨劇の狼』と『悪食』って物騒なやつ イズ 何?
『悪食』の方は多分ゲッカが物を噛むクセと関係あるんだろうけど。
それからクローバー。
解析されるのを嫌がっていたけど今更見られて困るものはないので好きにしてくれと諦められている。
-----------
名前:クローバー
種族:ケットシー
LV:27
HP:119/119
MP:465/465
速度:167
所持スキル:
『改竄』
『収納魔法』『亜空間S』
『博識A』『並行処理C』
-----------
クローバーについては特に何だこれってなるスキルはないな。
『収納魔法』と『亜空間』はセットになってるスキル。『収納魔法』が収納のジッパーを呼び、『亜空間』がジッパーの先に繋がっている収納魔法の容量だ。
『並行処理』は字面だけ見ると同時に2つ以上のことができるスキルかな?
まぁ改竄スキルがある以上このステータス全部嘘っぱちな可能性もあるけどな!
この世界はスキルで人生が決まると言っても過言ではないとユーリスが言っていた。
『勇者』のスキルを持って生まれ勇者として育てられたユーリスの言葉だから説得力がある。
スキルを偽ったり無かったことにできれば生まれた子を死地に向かう勇者にしたくないがために改竄で勇者のスキルを消してもらう、そんな人がいてもおかしくない。
逆に勇者を管理する側からすれば勇者が見つからなくなる。
改竄がタブースキルとして指定されている背景が伺えるな。
◆
「さて行くか!封印の墓標はめちゃくちゃ広かったけどここはどうかな?」
建物の中には蝙蝠やネズミの魔物が棲みついている。
いつのもようにゲッカが倒してくれるので道中は楽だ。
「望郷の遺構はあまり大きくないはず、というか封印の墓標が広いんです。一般的なダンジョンと同程度ですから」
「ダンジョンってそんなに広いのか。ハルピュイア達と行った裂け目はそこまでだったけど」
「裂け目の時点ではね。ダンジョンに成長すれば大きくなるし魔物も強くなります」
ダンジョンの攻略は初めのうちは半日程度の軽い探索を繰り返し浅い階層の把握に専念。
そしてある程度攻略が進んだら数日かけて奥まで潜るを繰り返すし、やがて最奥に到達したら主を倒して迷宮核を回収が基本の流れだ。
「裂け目が大きく迷宮の主が強いほど、難易度の高いダンジョンができると言われています」
「そういうもんなのか」
「過去には王都3つ分に相当する広大なダンジョンができた例もあったとか。国が総力でダンジョン攻略に乗り出たんですが攻略に20年要しました。長期に渡る攻略により定期的な物資の補給や寝床の確保が必要になり、一方で冒険者からは日々討伐された魔物が届くことで賑わってダンジョンの近くに1つの街ができたそうです」
迷宮の傍に1つの街か、派手な話だ。
王都の広さは分からないが、王都って言うくらいだから広いんだろうな。王都3つ分の広さて軽く1つの国では?
「ヴァウ!!」
「っと……、ボスのお出ましかな?」
ゲッカの警戒を促す声に先の部屋に目をやればそこは一面に糸が張り巡らされた部屋。
糸には大きな蝙蝠やネズミの魔物が糸に捕らえられ干からびて、部屋の奥の天井には巨大な蜘蛛がギ、ギギ、と不快な音を立てている。
クローバーが露骨に嫌そうな顔をする。
「うぇ、気持ち悪い」
「虫は苦手か?」
「虫というか、同時に複数の物がワサワサ動く光景が嫌なんですよ」
8本の足がもぞもぞ動いてるから分からないでもない。
それじゃあとっとと倒してやるか。
「よーし、燃やしちまえゲッカ!」
「ヴァウッ」
ゲッカが火を放つ。
けれども糸の表面の色が軽く変わるだけで燃えることはない。
「ヴァフ!?」
「糸なのに燃えないのか!?」
「火や魔力に対して強い耐性を持っているようです」
ゲッカは焼き切れなかったことが悔しいらしく、糸を爪で切る方向にシフトしているが今度は糸そのものの粘着性に苦戦していた。
しびれを切らして炎を出すとようやく粘着から解放される。
糸は強い粘着性を持っているけど炎か熱で粘着性は損なわれるみたいだ。
解析をかけてみる。
-----------
種族:ミラージュスパイダー
LV:43
HP:1032/1032
MP:721/721
速度:97
所持スキル:
『蜘蛛糸』『操り技術C』
『粘着C』『物体強化B』『魔法耐性A』
-----------
「ミラージュスパイダーとは珍しい魔物ですね」
『物体強化』と『魔法耐性』というスキルがある。
これスキルのせいでゲッカの攻撃が効かないんだろうな。
「あの蜘蛛の糸、服の素材にできたりしないかな?」
入手が難しくて実用的じゃないけど蜘蛛の糸を服の材料にするって話を聞いたことがある。
蜘蛛の糸自体絹よりも丈夫だし。
「高い魔法への耐性と優れた強度と魔力を受け流す性質の糸ですから良い素材になるかもしれませんね」
「よしきた!」
理想の素材とこんなところで相まみえるとは。
俺の下着、もとい服のためにその糸頂戴しよう!