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第9章 七海の心情と決意

七海目線の続きになります。

この章で七海目線は終わります。


んー、私は重たい瞼をゆっくりと開いていく。


もう外はすっかり日も暮れ、暗くなっていた。


「あっ、寝ちゃったのか…」


私達は激しくベッドの上で愛し合っていた。

なのでベッドの下にはお互いの服や下着が散乱していた。


ふと、私は幸せそうな寝息を立てる正哉の顔をじっと見つめた。


「相変わらず、寝ている時もイケメンね」


私は体をゆっくりと起こすと、正哉に手首を掴まれていた。


「…七海」

「…あっ、ごめん。起こしちゃった?」

「…いや、それより帰るのか?」


名残惜しみながら私は首を縦に振った。


「…そうか、そうだよな」


正哉は寂しげな笑みを浮かべると視線を私から逸らした。


私は散乱してる服や下着を手に取り、着替え始める。

その様子に正哉は静かに呟いた。


「…七海、好きだよ」


私は正哉と視線がぶつかると、いつもとは違う鋭い眼差しで私を見つめる正哉に私から目が離せなかった。


「…どうしたの、急に?私も好きなのは正哉も分かりきってるでしょ?」

「…うん、そうなんだけど」


そう言うと、正哉は背筋を伸ばし急に真剣な口調で告げた。


「…七海、そろそろ同棲しないか?」

「…えっ?同棲?」


思ってもいない事だったけど、嬉しい半面、少し不安も過った。


「…同棲って事はつまり…」


言葉を濁してる私を見て正哉は、


「……結婚したいと思ってる」

「……けっ、結婚?」


私は結婚と言う2文字に偉く敏感に反応してしまった。

と、そこまでは良かった。


結婚となると、今の現状では……。


色々と問題点が浮かんでくる。

正哉は私が今から言う事を理解して分かってくれるだろうか?

と、私が頭を抱えていると、


「……七海は僕との結婚は考えてない?」

「……えっ?いや、そういう訳じゃなくて…。ただ…」


私は今抱えてる不安要素を正哉に打ち明ける事にした。

当然の事だ。夫婦になる間柄なのだから。


「…正哉は、就職しないの?」


その言葉に彼の表情が一瞬、曇ると、顔を上げる事が出来ず、下を向いていた。


「……私はいちよ正社員で働いてるし、正哉にもちゃんとしたとこで働いて欲しいなと思って…」


決心が揺らぐ前にと、正哉は顔を上げ真っ直ぐと私と視線を合わせる。


「…分かった。確かにそうだろうな。大の男がふらふらとしてはいられない。だから少し待っといてくれる?」

「…うん。でも焦らないでね」

「…ありがとう」


私は正哉に甘いかな?と思うが、仕方ない、惚れた弱みだ。

けれど、考えてみたら私の言った事は一般常識的な事で当たり前の話だし心を鬼にしていた。


「…じゃ、私帰るよ」

「…送るよ」

「大丈夫。タクシー呼ぶから」

「…分かった」


これ以上、この部屋に居てたらお互い気まずい。

私は、正哉のアパートを後にした。



この日を境に正哉との連絡が途絶えた。


今までなら毎日、声が聞きたくて電話をかけたり、週に1回はデートする程だ。


連絡が来なくなって1週間になるけど、不安で押し潰されそう。


私があんな事、言ったから……。

後悔の念で一杯だった。


そんな日々が1ヶ月になろうとしてる。


私は痺れを切らし、思い切って携帯画面に正哉の携帯番号を表示させた。


「…あぁ、どうしよう」


その時だった。


♪~~


「えっ?正哉!」


画面に表示されてる正哉の文字に感極まって涙が溢れ出してきた。


あっ、出なきゃ!


『……もしもし?』

『七海?』


久し振りに聞く正哉の声に会いたい気持ちが溢れ出す。


『……七海、ごめん。連絡が遅くなった』

『…私こそ、ごめん』

『何で七海が謝る?悪いのは僕だ。済まない』

『…えっ?何で、そんな謝るの?もしかして、私と別れたいとか、考えてる?』

『……七海は別れたいのか?』

『……嫌』

『……それなら良かった』


別れ話じゃないと悟り、私は胸を撫で下ろした。


『…七海、僕、就職決まったよ』

『…えっ?』

『…ここ1ヶ月、就活してた。ちゃんと就職出来るまで七海には連絡しないって決めた』

『だとしても、連絡ぐらい!』

『七海の声を聞いたらまた七海に甘えそうだったから』

『………』


彼からの愛情は私が感じてる以上に大きくて満たされるものだった。


『七海、聞いて』

『…うん』

『僕達は付き合い出して2年程になる。次第に僕は七海と同棲したいと言う気持ちばかり先走って今現在の自分の現状に向き合ってなかった。だけど今ならちゃんと言える。七海、結婚を前提に同棲しよう』

『…えっ?』

『…まだ断る理由ある?』


電話口から漏れる私の涙声に、


『泣いてるのか?』

『泣いてないよ!』


強がりだ。私、今、物凄く嬉し泣きしてる。

悔しい。私ばっかり泣いて。


『……馬鹿!』

『えっ?馬鹿?』

『…もう、何でこんなにサプライズ上手なの』

『…サプライズになった?』

『…ほんとに、もう!』


そう言って、私は一呼吸置いた。


『………私も、正哉と同棲したい。…好きだから』

『……七海、ありがとう』


私は精一杯の気持ちを正哉に伝える事が出来た…。


そう、お互いに愛し合う気持ちが再びまた私達を結び付けた…。





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