表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/18

第13章 押し寄せる不安


先生との同棲を認めて貰った日から1週間、私の必要な荷物は全て先生のマンションに運び終えた。


そう、これから本格的に同棲が始まる。


「先生、今日から宜しくお願いします」


一礼する私に先生は少し顔を歪めた。


「いつまで先生なの?」

「えっ?それは…」


呼び方に不服がある先生は私の頬にそっと手を触れた。


「いい加減名前で呼んで欲しいな」


そうだよね。つい担当医だった時の癖で先生って呼んでたけど、もう駄目だよね。


私は先生の表情を窺うと、彼の口元が少し緩んでいた。


かと、言って何か照れ臭くて恥ずかしい…。


私は声を奮い立たせながら……


「……りょ……りょう…すけさん?」


赤く染まる私の頬に先生がそっと口付けする。


「さんは要らないけど、まぁ、合格!」


先生は私の髪をくしゃくしゃと撫でると視線を口元に落とす。


これはもしかして……キス?

私は不意に目を閉じた。


と、私の耳元で先生のクスっという笑い声が聞こえた…。


「…瑞希、何で目を閉じてるの?」

「…?!」


あっ、もしかして、からかわれた?!

私は咄嗟に口元を両手で押さえた。


「何で、口元隠すの?」

「これは、その……」


私は上手く言葉が見つからず、息付く暇がない。


「…キスしたかったの?」

「…えっ?!」


読まれてる?!

まさにその通りだが……でもそれじゃ、私から誘ってるみたいで恥ずかしい…。


断固否定しよう。


「…キスしたかった訳じゃないよ」


私は首を振っていた。


でも先生はそんなの信じてるはずがなく、一瞬で私の唇を塞いでいた。

何度も激しく……。


こうして同棲初日は先生に沢山愛された幸せな1日を過ごした。


だけど、無情にもこんな幸せは長続きしなかった……。




先生、いや亮平さんと同棲し始めて1週間が経った。


相変わらず、亮平さんの私に対しての独占欲は日に日に増してきてると実感してきた直後の事だった。


亮平さんの態度に少し違和感を感じ始めた。


愛情はいつもと変わらない?いや、そう振る舞ってる様にも見えて、何か、私に隠してる事がある様な気がする。


女の勘だが……結構、当たる。


確かに幸せは幸せなんだけど、亮平さんの心の中が知りたい。

だけど、嫌われたくない。

亮平さんの重荷にはなりたくない。



敢えて何も聞かないで暫く様子を見よう。


取り敢えず、晩御飯しないと!


私はエプロンを付け台所に立つ。

今日の晩御飯はすき焼きだ。

お肉も少し奮発しちゃったけど、美味しそう~。


あぁー、良い香りが漂う。


最後に仕上げと……、



ガチャ…


バタン!



何かが倒れる物音が玄関の方で聞こえた。



私が様子を見に行くとそこにはお酒の匂いをプンプンさせながら玄関先で寝転がっていた亮平さんの姿…。


「…亮平さん!」


ぐたぐたに酔ってるせいか、亮平さんは意識朦朧としてる。

良く家に帰ってこれたなぁ。

だけど、何でこんなにも飲んだの?


「……ま、りこ」


えっ?まりこ…?誰?

寝惚けてるの?

それとも、私の他に女性が……?


いや、違うに決まってる!

心の中で必死に叫んでいた…。


有り得ないよ。浮気なんて……。


私は亮平さんのズボンポケットからはみ出てた携帯電話を咄嗟に引き抜いた。


ちょっとぐらい良いよね?

これ以上先に踏み込んだら駄目なのに……分かっていても不安に押し潰されてしまった私は亮平さんの携帯のメール履歴を見てしまう。そこには、まりこという女性からのメールが来てる。


内容を見た私は愕然とした……。


【亮ちゃん、また、会いたい。連絡するね】


私は目の前が真っ暗になった……。














評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ