再出発の幸せ
姫川陸の覚める筈のない目が覚めた。
辺りを見回すと恵が居た。しかし近くに謎の20歳ぐらいの女性が胡座をかいて座っていた。
何故だろうか、彼女は心が解けるような、何故か触れてはいけないような、形容し難い空気を体に宿していた。
すると彼女は口を開いた。
「妾はまぁいわゆる神?に近しい何かとでも言っておこうかの?」
「…………」
呆気にとられていると彼女は更に口を開いた。
「最近は信仰が減っていた。汝もそうだろう?、しかし汝の全てを失っても愛する者と共に生きていたいという意思に、妾は興味が沸いた、だから汝に愛する者と共に生きる機会をやろう、しかしなぁ妾と言えど元どうりは無理じゃ、妾は物理は越えられる、しかしエントロピーは抑えることはできても戻すことは出来ぬ。」
ああ、ある程度は理解した。
「未開拓じゃが比較的安全な場所へ送ってやろう」
「ひとつ質問が、、」
「なんじゃ?言うてみぃ」
「それは日本と同じですか?」
「おや?すまんのぉ忘れておった、少し日本とは違う生き物が住んでおる」
「例えば?」
「まずモンスタやクリーチャーと呼ばれるともが住んでおる、お主の世界で称される物とほぼ同じと考えてよろしい、例をあげるとスライムやオークと言ったものじゃ。しかしそいつらは意思疎通は出来ない。しかしできるもの達もおる、
人種を含め森精種、地精種、偽天種、獣耳種の5つの種がおる、それらの種は共存しておるので争いの心配はせんで良いぞ、」
「そこまでしてくれるとは、本当にもう神様なんて居ないなんて言えないな、、、
もう会えないと思っていた妻と共に過ごせるだけで此方は幸せだと言うのに、ありがとう」
「では送るとするかの、」
「待ってください名前を伺ってもいいですか?」
「よろしい、妾の名前はルルテ」
「ありがとうございましたルルテ様」
その瞬間視界が光輝いた。