第六話 ショッピングモールでお買い物
彼方達は恵の日用品を買う為にショッピングモールに来ていた。
「よし。じゃあ買う物は衣類と歯ブラシくらいか。」
彼方達は最初に恵の部屋着とパジャマを買いに行く。
恵とアリスは、女の子らしくこの服が可愛い、この服が欲しいと盛り上がっている。
男の彼方達は、女の子のファッションなど分からず恵達の買い物が終わるまで店外で待っていた。
「女の子と買い物行く機会が無いから知らなかったけど、本当に女の子の買い物って長いんだな。」
彼方は思わず愚痴をこぼす。
「まぁ僕たちは待ってるだけだしね。」
恵の服を買い終わると次に来たのはランジェリーショップだった。
「じゃあ少しここで待ってて。すぐに済むから。」
アリスと恵が店内に入ろうとすると、彼方が持ってあげていた恵の買った荷物を優に渡してきた。
「優。荷物頼んだぞ。じゃ行ってくる。」
「いやちょっと待ちなさい。」
店内に入ろうとする彼方を止めるアリス。
「え?何?」
「なんで貴方までお店に入ろうとするのよ。」
アリスが彼方に怪訝な表情をしながら質問をする。
「なんでって恵が俺の為に見せてくれる下着を選ぶんだろ?なら俺が選んだ方が良いと思わない?」
彼方の爆弾発言にみるみる顔を赤くする恵。
「なっなななな何を言ってるの彼方君は!?見せるわけない無いでしょ!!」
「えっ?違うの?俺はてっきり今日の夜に備えて勝負下着でも買うのかと。」
「『備える』って何!?勝負下着なんて買わないよ!!」
羞恥のあまり周りの目をはばからず大声で抗議する恵。
そんな恵を見ながら彼方は、『茹で蛸みたいだなぁ。』と的外れな事を考える。
「彼方…。」
ゾクっ!と背筋が凍るような気配に襲われる。恐る恐る彼方が恵の後ろにいる人物に目を向けると、アリスが口から冷気を吐き出しながら笑顔を振りまいていた。
何あの笑顔。笑ってるのに殺意を感じるんだけど。サイコパスかな?
滅多に笑わないアリスの笑顔に冷や汗が止まらない彼方。
「貴方はそこで待っていなさい。分かった?」
「はい……。」
アリスの気迫に竦み上がってしまった彼方は、優に預けていた荷物を受け取り直立不動で待機の姿勢を取る。
「ちょっとおふざけしすぎたね。」
彼方のおふざけに優が苦笑する。アイツいつか眼光だけで人殺すんじゃないのかと思うほど怖かった。
とりあえず恵の衣類を買い終わった彼方達は、食事を済ませたあと最後に歯ブラシと食材を買う為にショッピングモール内にあるスーパーで買い物を済ませる。
「じゃあ今日はこれで解散だな。また明日学校でな。」
「えぇ。またね彼方。恵さん。」
「また明日ね。」
「うん。今日は皆んな私の買い物に付き合ってくれてありがとね。」
別れの挨拶を済ませて、それぞれの帰路につこうとすると突然ショッピングモールのガラス張りの自動ドアから黒塗りの装甲車が大きな音を立てながら突っ込んできた。
ガシャアアアアアン!!キキィィィッッーー!!
「な、なに!?」
思いがけない事態に恵やショッピングモールに来ていた他の人達も困惑する。
静寂が場を支配する中突っ込んで来た装甲車のドアが勢いよく開け放たれる。
すると中から黒いスーツを着た男達が続々と出て来た。男達は手に手に武器を持っており、彼方達を囲む様に配置していった。
「彼方。もしかしてこれって……。」
「……あぁ。多分恵を襲った奴らと同じだ。まさかショッピングモールなんて公共の場でこんな行動をするとはな……。」
「…………。」
男達は無言でそれぞれに持った武器を構える。
「気をつけろ!来るぞ!!」
彼方の言葉をきっかけに戦いの火蓋が切れた
だいぶ更新が遅くなったにも関わらず量が少なくてすいません。
更新していない間なにしてたかと言うとアニメ見てました。これからまた更新しますのでお付き合い頂けると嬉しいです。