第六話「Friends」
第六話「Friends」
pm22:48 降下した15名全員を仲間に加えてしまった。
雫 「・・・という訳で、皆ちゃーんと分かった?」
佐武朗「うーん。そうだったのか・・・」
Milli 「雫さん必死だったのね・・・」
夜徒 「なんせ、独りボッチで奮戦してたんだものな。」
雫 「ボッチ言うなしw」
夜徒 「事実じゃんwww」
雫 「そーだけどぉ(泣」
雫にしゃべらせると話しがちっとも進まないので、とりあえず、上空にあるクラブ『現実逃避』から降下して合流した者達に事情を説明してもらい、仲間になって貰う事が出来た。
今回の騒動の中で、ようやく雫の願いが叶ったのだ。
雫 「でもねー マダ上空には愛美ちゃんや雪那さん達が残ってるじゃん?」
佐武朗「うん。初心者も含めて、8名が残ってるね」
統 「そういえば、春さんの姿が見当たらないみたいなんだけど・・・?」
一同 「「「あっ!?」」」
そうなのだ、せっかく降下して来た者達を苦労した末に捕まえて、ようやっと仲間になったばかりだというのに、雫にとって今新たに仲間になった者達の中で一番親しい春の姿が消えていた事に気が付いたのだ。
雫 「んー この状態ならきっと『ささやき』で呼び掛ければ会話でけるかしら?」
佐武朗「雫ちゃんやってみれば?」
雫 「OK!」
雫は元気よく応えると、少し黙り込んだ。IMと呼ばれる機能で、声を出さなくとも離れた場所に居る相手とテレパシーみたいに会話する事が出来るハズだ。
雫 『春ちゃ~♪ 今度はちゃーんと文字化けしないでおしゃべりできそ??』
春 『雫ちゃん。大丈夫です。・・・でも、私まで変になっちゃったのかしら。不安だわ。』
雫 『あのねぇー 変になった←間違え。 面白くなった←コレ大事! だとあたしは思うのだけども?』
春 『そっかぁー 雫ちゃんはいつでもポジティブに考えるのね。』
それから少しの間、雫は春に事情を説明したりして、上空の様子を訊ねた。
雫 『それで、上はどうなの? 何か変化ある??』
春 『あのね、雪那さんが私に呼びかけるんだけど、やっぱり文字化けしてしまって、会話が成立しないのよ。』
雫 『ですよねー』
春 『そうすると、やっぱり雫ちゃんがやったみたいに、コッチ側へ引っ張り込むしか無いって気持ちが良く分かったわ。』
雫 『わーい♪w』
春 『今私の目の前には、分厚い壁があります。壁の向こう側には雪那さん達が集まって居て、私を警戒しているみたいなの。どうすれば良いと思う?』
雫 『とりあえず、矢唖さんが先に動くから、出来そうなら春ちゃもアシストしてみたらいいんじゃないかしら?』
春 『了解。』
雫と春がささやき機能で会話を交わしている間に、矢唖が動き出していた。
矢唖 『雫さん。私も床からマジックハンド伸ばして、上に居る人達を仲間に出来ないか試してみますね。』
雫 『ガンガッテ!! (`・ω・´)』
矢唖 『うん。』
私も最初は戸惑ったっけ。雫さんってば、いきなり私の足首を掴んだかと思えば、床下へ引き摺り込むんだもの。
その時の私には、雫さんはキモチワルイ化物・・・ ぶっちゃけゾンビ系なモンスターにしか見えなくて、超が付く程気持ち悪かったけれども、仲間になった今では、何と愛らしいデフォルメ姿。2.5等身から3等身くらいの若干の身長差があるけど、皆可愛くなってしまった今の方が、何故かは分からないけれども、以前より負荷を感じずにサクサク動けるのもいいわね。
ちょっと意地が悪いかもしれないけど、今の私は雪那さん達から見れば『モンスター』姿で映って見えているでしょうから、追いかけたり、襲ったりすれば、多少は恐怖を感じさせる事だって出来るでしょう。
普段はそんな風に、人を怖がらせるとか、危機感を感じながらの追いかけっこなんてSLでも滅多に出来ない経験だと思うの。だから、ちょっとの間かもしれないけど、雫さん達と一緒になって、雪那さん達を追いかけるのも楽しいかもしれない。
いつもお澄まし顔の雪那さんや若狭さん達が、怖がる顔を見れるチャンスなんて、そうそうは無いでしょうから・・・・。だから私も仕掛けてみるのっ!!
丁度お誂え向きな処に、新人二人が固まっているのも好都合だし。ちょっと手を伸ばしてみようかしら。
「「っ!?」」
あら? 思ったよりスムーズに行ったみたい。騒がれるのも面倒なので、新人二人纏めて両手を伸ばして足首を掴めたので、一気に引きずり込んじゃったわ。
二人共、怯えた表情で私を見ているけど、声を挙げられてもなので、雫さんに教わった通り、二人の後頭部へ一気に軽い口付けを。
と思ったのだけど、あんまり怯えた表情が可愛いから、雫さんの真似じゃないけど、ついついナデナデしたくなっちゃった。成る程、雫さんの気持ちが良く分かるわ。
二人も一気に姿が消えちゃったから、床上ではちょっとした騒ぎになっているみたいね。
でも、この二人は大人しくて、ギャーギャー悲鳴なんて挙げなくて、大人しく私達の側に仲間入りしてくれたわ。雫さんに『ささやき』で状況を伝えなきゃ。
矢唖 『雫さん。とりあえず、新人二人確保に成功しました!!』
雫 『ちょっ!? 矢唖さんっ!! すっごーーーいじゃないっ!!』
矢唖 『いえ。ちょっと運が良かっただけですよ。二人共並んで床に近いソファーの上に立っていただけだったんで、捕まえ易かっただけですよ。』
雫 『でも、悔しいぃーーーーーーーーーっ!!
あたしがあーーーんなにガンガッテ、やっと二人捕まえたってゆーのにっ!!』
矢唖 『たまたまですってば、ビギナーズラックってやつですよ。きっと。』
雫 『ううん! 矢唖さんがスゴイのよっ!! 才能あるんだわ、きっとっ!!』
矢唖 『とりあえず、新人二人に私の時みたいに状況の説明とフォローをお願いします。』
雫 『分かったわ!』
何の才能よ。なんてツッコミは止めておいて、とりあえず、新人二人への説明、フォローは雫さんに丸投げできたので、更なる獲物を求めて、私は床下を動き回る。
矢唖さんは、成りたてなのに、もう二人もコチラ側へ引き摺り込むことに成功していて凄い。私は目の前に壁があって、中々前へ進めないでいるのに。でも、負けてはいられない、動いてみなきゃ状況も進まないでしょうから。
春 『私も動いてみます。』
雫・矢唖『『了解!』』
春の目の前には、壁しか無かったが、その壁の向こう側には雪那が立って居る。慎重に狙いを定めて、雪那の細い首があると思われる辺りか頭を掴めれば、壁越しでも捕縛は可能だろう。
真弓 「閾ェ蛻・! 荳ュ縺ォ!!」
春 「・・・・・・ガッ!!」
私が雪那さん目掛けてマジックハンドを伸ばしたのに、真弓さんの叫び声が邪魔してしまった。折角のチャンスだったのに・・・・。
雪那 「溘>繧・・・ 九た繝ウF!?」
翠 「級蠑キ、繧よョ句ソオ縺・Φ繧キ繝ァ」
若狭 「倥↓繝・・・ オ荳械Gー蜆ェ縺ォ・・・ 繝ゥ?」
真弓 「繝ウ・・・ 諤ァ螢ー蜆ェ縺ォ繧医k・・・」
壁越しに、四人で何か話し合っているけど、今の私では認識できない。そうか、雫ちゃんは、こんな疎外感を感じながら一人で闘っていたのか。私だったら心が折れてしまいそうね。
やっぱり彼女は強い女だな。こんな理解されず、受け入れられさえしない状況で、前向きに考えて、めげずに孤独な闘いをしていたのだから・・・・。私も負けてはいられないわね。
春は、目の前に立ちはだかる壁を見つめながら、自分の置かれた不利な状況を嘆くよりも、隙あらば壁の近くを通過する者を捕まえる事に意識を集中した。
春さんは、失敗してしまったみたいね。なら、今度は私の番だわ。
cocoa 「繧a区エ区・スE逾樊峇繝・・・ 繝峨ZΞ繝シ、後▲縺滓エ区? 閾ェ蛻、繝シ縲宣ォ倡判雉ェ縲。」
一同 「「「OK!」」」
あら、cocoaちゃんが動くのかしら?
言葉は分からないけれども、彼女の居る辺りから、光点が動こうとしているのが分かるので、ちょっと近付いて腕を伸ばしてみたら・・・。
愛美 「譖イ縲醍ァ∫!!」
cocoa 「繧ク!? 繝ォ縺ァケク!!」
やったわ! cocoaちゃんゲット!!
やだ、捕縛するって楽しいわ!!
ちょっと、cocoaちゃん、あんまりジタバタしないでっ!!
ちょぉーーーっと後頭部にチュって軽い口付けするだけよ?
痛くないから、怖く無いから、だから・・・ね?w
上空の春ちゃんから矢唖さんがcocoaさんを捕まえたって連絡が来た。
あー 負ーけーたぁー・・・ Orz
あたしのガンガッた二人記録をあっさりと破ってくれちゃって・・・(涙
って嘆いても仕方ないわね。仲間が増えただんだものっ!!
ちなみに、cocoaさんがコチラ側の仲間になった知らせはMilliさんが一番喜んでたっけ。
気を取り直して、矢唖さんからcocoaさんのフォローをお願いされると思うから、いつでも出来る様に用意しとかなくっちゃ♪
あ。前は直接『ささやき』で話しかけて事情とか伝えてたんだけど、一々最初から今の状況を説明するのってメンドイので、ノートカードというのを作りますたっ!!
ノートカードとは、文字通り、文章を書いて相手に渡せるものなんだけど、あたしみたいに脱線ばかしして、話が中々前に進まない子←決して馬鹿じゃないのっ!!
にとっては、ありがたいアイテムで、とりあえずコッチ側に引きずり込んだ人には「コレ読んでおいてねっ!!」って渡せば良くて、読んでからの質問でフォロー出来る様になりました♪
お陰で今後何百人、何千人がコチラ側へ来ても受け入れ準備は万端よ!!
pm23:00
予約投稿間違えてました・・・ Orz
ごめんなさい。