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『裏:Pandemic』   作者: 月夜乃雫
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第五・五話「それぞれの言い分 その2」

第五・五話「それぞれの言い分 その2」


case7.魔鬼人マキト

 ども、初めまして。魔鬼人マキトといいます。

 『裏:』からの登場になるんですけど、実は、表の方でもしっかり出てたんですけどね。


 表では「アイツら」って「その他大勢」扱いだったんで、顔も名前も碌に出ていなかったと思いますよ。

 雫ちゃんとは、結構長い付き合いになるかな。あ、付き合いって言っても、男女の仲では無いですから。あの子はちょっと・・・。コホン。

 本人に怒られたく無いんで、話題変えましょう。


 とりあえず、普段は戦闘系クランの頭やってます。

 戦闘系クランというのは、ネトゲ内でプレイヤー同士が戦闘行為を行う事を目的にして集まったグループですね。


 SL(セブンス・リーフ)内だと、自分達で色々と自由にルールを決めたりして、HUDヘッドアップディスプレイを付けて、わざと普段より不自由な状態で闘ったりします。


 不自由な状態にも色々あるけど、たとえば、SL内ではHPヒットポイントLPライフポイントなんてあまり使われていないけど、HUD内にHPやLPを設定して、ある程度ダメージが蓄積されると、自動的に「死亡状態」にする事も可能なんです。


 そんな感じで、戦闘好きが集まっては日々鍛錬を重ねたり、新しい技を生み出したりと、結構楽しんでやってますよ。


 あ。今回のお話しですけど・・・ あ、もう俺の分は終わりですか? そうですか。

 では、また機会があったらお話しさせてもらうとしましょうか。




case8.夜徒ヨルト

 夜徒です。僕も今回からの参加組です。

 魔鬼人のヤツは、上手い事はぐらかして内容にあまり触れずにバトン渡して来やがって・・・。まあ、仕方ないか。


 ちなみ、さっき魔鬼人が言い掛けた雫ちゃんとの事ですけど、男女の仲に「ならなかった」んじゃなくて、「成れなかった」が正しいです。詳しい事は本人達が話したがらないことを僕が言うのも、なので、これ以上はダメですね。


 どうしても聞きたかったら、本人達にでも聞いてみてくださいよ。


 あ。ちなみ、普段は魔鬼人が頭やってる戦闘系クランで副団長兼参謀役やってるんですよ。魔鬼人のヤツとは長い付き合いだし、前のネトゲで一緒に戦ってたんで、その時以来、今みたく、団長と参謀役というポジションでやってたね。


 『裏:パン』第五話で包囲殲滅の時、魔鬼人が率いる部隊と別に動いて、Milliさん達の班を追いかけて、コチラ側へ引き込んだのが僕の班だったんですよ。


 最初は65人位で島の中央に集まって、降下して来た佐武朗さん達15名を囲んで、仲間に引き込む予定だったんだけど、流石に佐武朗さんだけあって、一緒に居た連中も手慣れた者が多かったのは計算外だったっけ。


 とまれ、こちらは裏技状態みたいなもので、100名程は集められたから、100VS15人の状態に持ち込んだ時点で数は圧倒的。あとは、銃火器を使えないハンデを人海戦術で補うしか無かった訳で。


 言う程楽な闘いでは無かったですよ。90秒のリキャスト・タイムの間は、結構イラつくし「早く立ち上がりてーっ!!」って何度叫んだ事か・・・。


 最終的には、我々の勝利で終わったんで、今回は遺恨無く過ごせましたけどね。




case9.トラ

 あ。トラッス! ヨロシクッス!! え? ヤンキーじゃ無いッス!!

 「ッス」っていっちゃうのは、口グセッス。気にしないでッス。


 いやぁー それにしても、アレはアレでしたわぁー。

 うんうん。オレ、カッコ良かったッスか?

 え、あまり活躍してるトコを見てないって・・・?


 マジッスかぁーーーーーーーーーーーっ!?


 あー そいうやオレ、最初の打ち合わせの時から後は、チーム率いていたッスから、名前と顔が・・・ そっかぁ~~~~~~・・・(溜息


 オレ、自分で言うのもなんッスけど、結構頑張ったッス!

 佐武朗さんの班と別れたMilliさんの班は10人は居たッスよね?


 その10人の班を仕留める時に、夜徒副団長と一緒に行って、アシストってヤツをしたのがオレの班ッス!!


 いやぁ~、マジパネェッス。

 だって、10人共全員が鬼の様に弾幕張りまくりで、最初のうちは一歩も近づけ無かったッスから。瞬殺って言葉の意味、アノ時実感しましたわぁ。


 バタバタと倒される仲間達。鬼の様な猛攻で、弾幕を張るMilliさん達精鋭10名。

 そんな中、オトコ達が立ち上がった・・・ ってカンジだったッス。


 アレ実写化して、映画でも作ったら大ヒットするんじゃないッスかねー

 え、ムリ? そっかー 映画化する時は、団長達を「正編」にして、オレらを「続編」とか「裏編」にでもしたら、ウケると思うんッスけどね~


 あ、こんなマイナーな作品が映画化なんて絶対在り得ない?

 そりゃそうッスよね(笑)


 とりま、団長達も大活躍だったみたいッスけど、オレらだって~


 ※この後、しばらくの間延々と本編と関係の無い『自称:武勇伝』を語り出したのでインタビューは終了となりました。




case10.鮟鱇アンコウ

 どうも、鮟鱇アンコウと申します。中身はオジサンです。お見知りおきを。

 ちなみに、鮟鱇という魚は、捨てる所が無いと言われてる魚でして、私も捨てる所が無い人物を目指してみようかと決意してこの名前を選びました。

 

 ところがねー 聞いて下さいよ。

 「捨てられない魚」を目指した途端に、会社でリストラされちゃったんですよねー

 お先真っ暗でしたわ。


 でもって、そんな私でしたけど、「捨てる神あれば拾う神あり」って諺は本当ですねー

 リストラされたって噂を聞いた元の取引先の社長さんが声を掛けてくださり、今はなんとかそこの会社でお世話になってるんですよ。


 いやーアラフォーでリストラなんて、どうしようかと、かなり悩みましたけど、かなりハゲそうにもなりましたけど、人間生きてさえいれば、なんとかなるもんだって事を教えられましたよー


 という訳でして、今度こそは鮟鱇の名前に負けない、最後まで食べ尽くしてもらえる様に、会社に残りの人生全てを捧げて生きていくつもりなんですわ。

 社畜? そんなのは、就職出来てから言えって話しですよ。たとえ、社畜と呼ばれ様とも、私は私を拾ってくれた社長に生涯を捧げて恩返しして行くんですよ。


 若い皆さんも、人生何が起こるか分からない。だからこそ、そんな時は、私を思い出してみてください。アラフォーのオジサンだって、リストラされても、しぶとく生きている。

 下には下が居る。自分だけが不幸な訳じゃぁ決して無い。立てよ国民!

 あ、間違えた。立てよ、若者よ!!

 ジーク!(・・・以下自粛)


 ※インタビューする対象を失敗してしまった事を深く深くお詫び致します。

 ※鮟鱇アンコウ氏は、この後も自説を延々と繰り広げてしまい、インタビュアーに自分の苦労話やら、不幸自慢などをしていたので、切り上げました。




case11.しずく

 雫です♪ やーっとあたしの出番が増えて来てますよ♪

 あー嬉しいw


 ってゆーかさ、そもそもあたしってば、主人公←コレ大事!

 じゃなかったんだっけ??

 アレ?


 表編【前作】では、絶対に扱いヒドイよね?

 モンスター扱いよ!?

 作者に抗議してやるぅぅぅぅぅぅぅ~~~~~っ!!




 コホン。改めまして、読んで下さってる読者の皆様。

 本当にありがとうございます。


 普段から馬鹿やってたり、言ってたりしますけど、本当は賢い子なんですよ?(ぇ


 今回だって、ちゃんと活躍してるし、矢唖さんや佐武朗さんだってコチラ側へ引き込めたのはあたしのお手柄ですよね?


 エッヘン。

 そろそろ、見直してもらっても良いのですよ?

 

 なんて、天狗になってると、ドコでまた急転直下で豪快に崩落しちゃうかもしれないんで、なるべくは自重しますけど・・・


 でもでも、褒められて伸びる子なんですっ!!(切実


 とりあえずは、今後の展望だけども、春ちゃんまでは引き込めたので、次は上空の『現実逃避』に文字通り、あたしたちという現実から目を背けて、自分達の殻に逃避している愛美ちゃんや雪那さん、真弓ちゃん、若狭さん、翠さん他にも数人位は居るかもしれないけど、彼女達を孤立させたままにしておくのは、可哀想だし・・・


 折角、普段じゃ見れない景色や遊び方が出来るのに、言葉が通じないだけで、一緒に遊べないって、辛いじゃないですか。


 だからあたしは迎えに行くんだ。

 コチラ側へ来ることを拒む愛美ちゃん達に、ずっと諦めずに手を伸ばし続けるんだ。

 「こっちへおいで。こっちは楽しいわよ。仲間だって大勢居るんだから。」って。


 「赤信号。皆で渡れば怖く無い。」って言うけど、今回の騒動で混乱もしてるし、何が正しくて、何が間違っているのかなんて、頭の悪いあたしには理解出来ないし、わかんないけど・・・。


 それでも、やっぱり愛美ちゃん達とは一緒に遊びたいもの。


 それが、あたしの本音であり、願いです。




case12.謎の人物アンノンウン

 どうも、謎の人物です。

 初めましてー って言っても、既に登場してるんですけどね。

 誰かって? その質問には答えられないな。


 ただ、自分の信じる正義を信じて、これからも正義を実行する者とだけ言わせてもらいたい。


 そもそもが、誰も彼もが個人の幸せを追求しているから悪いんだ。


 SL内に居るプレイヤーの一体何人が、真の意味で自己中心的では無いと断言できるのだろうか。彼等は惰眠を貪るのと同じ様に、他人の不幸を楽しんでさえいるんだ。


 人は、自分が大切にしているモノを奪われて、初めて失ったモノの大きさや、如何に自分にとって大切なモノであったかに気が付く。と言うけれど、これは真理だと思うよ。


 だからこそ、今回の騒動を通して、多くの者達が目覚めて欲しいんだ。

 神は、バベルと呼ばれた塔を建設していた人間達を見下ろして、言葉を通じ無い様にした。結果、現代に至るまで、戦争や争いが絶えなくなってしまったじゃないか。


 SLだって同じだろ?

 実際のところは、言葉が通じててさえ争いは絶えないんだ。


 コミュニケーションを奪われたプレイヤー達が、どんな喜劇ファルスを演じるのか、じっくりと見させてもらうよ。


 そして、既に失われたモノと、これから失われて行くモノの価値に気が付くがいいのさ。



オマケなので、通常と違う投稿となりました。

蛇足の更に蛇足なんで、あまり細かいことはお気になさらず~☆


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