第三話「雫のボッチ奮戦記!!」
第三話「雫のボッチ奮戦記!!」
Am2:25
突然、佐武朗から無言でテレポ呼び出しくらった。
正直、ちょっと気分は悪い。
だって、無言だよ?
普通なら一言『来る?』とかさ、声掛けてから呼び出すのが常識じゃないかしら?
それなのに、無言で急に呼び出されるって、どんだけナメられてるのかしら。
まあ、文字化けする現状では仕方ないかもしれないけれども。
呼び出されたあたしは、目の前に変な壺が見えた。
壺の壁面で真っ白になっている状態が一瞬だけ見えたのだけど、スグに視線は下へと移った。
ミニマップで見ると、あたしの呼び出された壺を中心に、大勢の人達が囲んでいるみたいね。しかも、全員が銃とか構えてるんですけど!?
どうしてこうなった!?
てゆーか責任者出てこいやっ!!
あ、雪那さんは出て来なくってイイです。
目が怖いです。ごめんなさい、謝ります、許してください。
ちょっと佐武朗から無言呼び出しで、イラってました。
調子に乗ってスンマセンでした。
ゴメンナサイ、もうしません、山よりも深く反省します。
あ。言葉通じないから、しゃべてもダメだったんだっけ。
一人でごちゃごちゃ考えてたら、壺のある近くから愛美ちゃんの呼びかけがあった。
愛美 「オ繝薙Γ? 繝峨Ξ繝シ縲宣ォ倡? 譖イ縲?」
雫 「愛美ちゃ・・・」
相変わらず、愛美ちゃんが言ってる言葉が全く分からない。
文字化けもここまで来ると芸術的?
否。今のは単なる皮肉だけども。
愛美 「医k笘、繝ウ蜀咲函蝗」
雫 「あーみぃーちゃぁーーーー」
愛美 「!?」
愛美ちゃんの口からは相変わらず意味不明な言葉しか流れて来ないのだけれども、それでも、あたしの呼びかけには応じたのだから、ちゃんと理解しようとはしてくれているのではないだろうか?
雪那 「峨Ξ繝シ1。譖イ縲娠art1縲?
Ξ繝シ縲宣ォ倡判雉ェ縲。
螢ー蜆ェ縺ォ繧医k笘・き繝舌、縲台ココ豌礼塙諤ァ、繧ス繝ウ繧ー繝」
雪那さんがあたしに向かって、何やら長々と話しかけてくれてるみたいだけども、今はちょと黙っててくれた方が良い気がするの。だって、通じないんだもの!
春 「仙ョ悟・迚医、蝗樊焚繝ゥ繝ウ繧ュ繝ウ繧、繝シ?」
オウ、春ちゃん。お前もか!
日頃から個人的にも仲が良い春ちゃんだけれども、今回は口を挟まれてもねぇ。
あたしゃ少し悲しい。
悪いけど、ちょっと黙ってもらった方が嬉しいよ。
だって、いくら話しかけられても意思疎通が出来ない以上、なんか変な方向に行きそうで怖いんですけど。だって・・・ 皆の銃口があたしに向けられてるって、どうよ?
雫「愛美ちゃも、雪那さんも、春ちゃも、それに皆して、銃口あたし向けてるって・・・
どうよ?
ボッチ相手に凄んでる姿って、ちょっと引くわぁ・・・
てゆーかマジドン引きなんですけどぉー
って言っても、あたしの言葉も文字化けしてたら、全然通じないよね?
ハァーーーーーーーーーーーーーー 溜息が出ちゃうわぁ・・・・」
一同 「「「繧ス!?」」」
なんか、この文字化けってば、中国語とか外国語みたいに、翻訳って出来ないのかしらね。法則性がありそうで無さそうだし・・・ 超面倒だわ(汗
あたしの呼びかけに対しての周りの反応はどうだったかって?
そらりゃ、もう、大騒ぎでしたわぁ
瑞人 「繝九た繝」
統 「迚医」
衛 「譖イ縲娠」
夜目 「・・・OK」
矢唖 「塙諤ァ」
ちょっと皆さん?
冷静になりません事?
その銃口が高く上がって、こちらへ向けられてるのって・・・
何かのサプライズパーティーかしら。
実は全部が、銃の形をしたクラッカーで『パァーン』って弾けて、直後に誰かが驚いてるあたしに向かって『サプラーイズッ!!』とかって叫んでくれるとか・・・
そんなの無いかしら。
あたしの周囲に居た者達は一斉に手にした銃火器から容赦なく壺へ向けて弾幕を張って来た。
壺は瞬間的に粉砕され、カケラが四方八方へと飛び散って行ったけど、ここで直ぐ感のスルドイ人が居たのはちょっと残念だった。
佐武朗「蜆ェ縺シ縲宣ォ倡、蜷肴峇、∫噪蜷?」
佐武朗だった。
そういう感の良さ、いらないです。
でも、佐武朗が止めてくれたお陰で弾幕は止んだ。
静かになって良かったわぁ。
雪那 「窶サ髻ウ驥乗ウィ諢?」
若狭 「峨Ξ繝シBE?」
翠 「鞘サ?」
壺は割れた。
でも、あたしは無傷♪
別に特別なマジックとかスキルを使った訳ではないわ。
愛美 「CK縲?
窶サ髻ウ驥乗ウィ諢鞘サ?
雜・オカ縺九▲縺薙>縺?」
愛美ちゃん、相変わらず何て言ってるか分からないわ。
でも、それから何人かがあたしの居る方を向きながら、何やら会話し出した。
銃弾を叩きつけられるよりは、文字化けしたとは言え、言葉を交わした方がずっとマシよね。
人は会話する事で分かり合える、理解し合える生き物なのだから。
って言っても、今はその会話が成り立たない訳で・・・
若狭さん、瑞人さん、Milliさんよ。
誰でもイイから、あたしに分かる言葉で話しかけて欲しいなぁー
やっぱり、コチラ側に導かなければダメみたいね。
cocoaさんや他の人達も居るけど、誰から最初に良き理解者になってもらおうかしら。
佐武朗「縲蝉ス懈・ュ逕ィ、浹蠑キ蛹悶代ユ?」
佐武朗よ。ソレなんてチャイナ?
貴方はいつから中国人に転生したんだい?
と言うのは冗談だけども、あたしが居る床下をやけにじろじろと見ながら指さしてる。
やっぱり、バレちゃってたか。
SL内では、TPで人を呼び出す際に、原因は良く分からないのだれども、時々呼び出した直後に床下へ落下するという怪奇現象が多々ある。
あたしも、呼び出された直後に、この現象の影響で床下へ落下していたのだ。
そのお陰で『現実逃避』店内の床上の壺に閉じ込められて蜂の巣にされるのを免れたのはラッキーでしたとさ(まる
翠ちゃん、真弓ちゃん、相変わらず可愛いですね。
衛さん、氏ねばイイのに・・・(一番あたしに向けて弾丸送り込んでくれてありがとね。
後でキッチリ〆てやろうかしら・・・
その後も、しばらく、あたしだけ除け者状態で訳の分からない会話が続いてたけど、時々チラっとだけ意味が分かりそうな言葉が出るのが、嬉しいやら、会話に混ざれなくて、悔しいやら。
特に、夜目さんが打った顔文字!
コレはしっかりと分かったわ。
夜目 「(´・ω・`)」
夜目 「級蠑キ縲∫ (´・ω・`)」
この二つは分かる!
ショボーンって、ガッカリした時に使うもの。
でも、何にガッカリしたんだろう。
今のあたしには、分からないので、後で皆で仲良く遊べる状態にしたら、聞いてみよう。
きっと春ちゃんが会話のログを録っていてくれるハズだし。
よし、ちょっとテンション上がって来たわ。
少しでも早く、仲間を増やさなきゃ!!
そうすれば、誤解も解けるし、楽しく遊べる。
一石二鳥じゃん?
そう思って、床の上に手を伸ばしてみたら、ちょっとだけ腕の長さが変わってた。
雫 『ホワっ!? なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁっ!!』
あ、今のは心の中での叫びね。
そうしょっちゅう独り言ばかり言っていると、周囲から変なヤツ認定されちゃうし。
今あたしが心で叫んだのは、デフォルメされた可愛らしい化身の手の先から、マジックハンドが伸びていたから。
それも、昔から玩具売り場で見かけたり、一時期百均で見けた様な、安っぽいマジックハンドがニョッキリと生えているじゃあーりませんか!?
これが叫ばずにいられましょうか?
いいえ。あたしにはムリですからっ!
はい、精一杯叫びましょう!
心の奥底から
さんはいっ!
心の叫び『なんじゃコリャぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!』
ふぅ、ちょっとスッキリ・・・
はしてないけど、むしろ、モヤモヤ感が残ってはいるけれども、まあ、便利だから良しとしましょう。
コレを使って床の上に居る人達を床下に引き摺り込めれば、仲間が増えるのだから♪
よーし、ハリキッて引き摺り込むぞぉーーーーーーーーーーーーーっ!
おぉーーーーーーーーっ!!
ここまで、全部ボッチ雫でお送りしました。
ここからも、しばらくはボッチ奮闘記が続くと思われます(まる
愛美 「懈・ュ逕ィ縲∝!! 斐い繝弱Γ!!」
佐武朗「Μ繝、繧ケ繧ソ繧ク繧ェ繧ク繝」
なんか頭上で騒いでるみたいだけど、こんな可愛いらしいマジックハンドを床下からニョッキリと生やしたんだから、きっと皆で受けてるのだろう。
好評みたいだから、ちょっと動かしてみようかしら。
所謂、試運転ってヤツかしら。
cocoa 「繧ッ繝ゥ!?」
Milli 「菴懈!!」
雪那 「・・・!?」
若狭 「ュ逕ィ!?」
翠 「キ繝!?」
さっきとは違う反応・・・だと?
どうしたんだろう、ウケたんじゃたかったかしら?
チャイナモドキなセリフが多くって、上の人達がどう思っているのかは分からないけど、あたしがやることは一つだけ。
初志貫徹で『仲間を増やす!』これに尽きるのだから。
ところが、思ったほどには上手く行かなかった。
光点が集まって居る場所へ目掛けて、マジックハンドを伸ばしたのだけれども、ソファーやテーブルの上に登って逃げられてしまったらしい。
うーん、姑息な。
獲物が散ってしまったため、どちらを追うか迷うじゃないの。
仕方が無いので、一旦床下へマジックハンドを引っ込めるしか無くなった。
雪那 「い繝弱! 悶Μ繝斐!!」
瑞人 「逕ィ!」
せっかく近くに居た人に向けてマジックハンドを伸ばしたのだけれども、寸でのところで、雪那さんが叫んで、掴みそこなってしまったらしい。
直後に瑞人さんがタイピングしてるってHUDに表示されてたから、連携して逃げてしまったのだろう。惜しいっ!
夜目 「荳頑。竊代い繝九た繝ウ濶ッ譖イ?」
統 「繧。縲先・オ荳械M縲第か縺ソ縲?」
一同 「「「縺九▲www」」」
統 「蜆ェ縺ォーーーーーェ!!」
人が悔しがってるというのに、上では草が生えている。
何か面白い会話があったのね・・・
正直羨ましいわっ!!
いいもん。今までも頑張って来たけど、今度こそ誰か一人でイイから捕まえて仲間にしてやるもんっ!!
一人で出来るもんっ!
統 「繧ェ繧ク!?」
愛美 「蜷肴峇・・・ 縲・雜・オカ縺九▲縺薙>縺・・樊エ区・、蝉ス懈・ュ逕ィ?」
統 「ェ縺ォ繧医k♡」
なんか悪者マントを棚引かせた軍服姿の痩身の男性化身が、「♡ハート」まで入れて会話してるし・・・ 上は一体どうなってるのよ。
こうなったら、攻撃あるのみっ!
次々と獲物を襲って、狩り尽してやるぅ~~~っ!!
って何か目的が変わって来てる様な気がするけどきっと気のせいよね。
あたしが床下からマジックハンドを伸ばして、上に居る妙にリアルっぽくて風景から浮いた感じになってる化身達を床下に引き摺り込もうとすると、床上の者達は連携して、銃弾を浴びせて来る。
こんなやりとりがしばらく続いていたその時、あたしは切り札を使う事にした。
雫 「SL内の皆さぁーーーーんっ!!
非力でか弱いあたしに力をぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ
お手伝い宜しくぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ
ぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!!!!!!!!!」
きっとこの叫び声も、床の上に居る人達には文字化けしてて読めないのでしょうけどね。
ほら、床の上の様子を見ると、皆一様に顔をしかめているもの。
佐武朗 「㍾菴朱浹、悟ケク縺!? 樊峇縲!!」
翠 「縲台コ・・・」
若狭 「縺埼」帙・・・」
雪那 「梧ュ後≧・√い繝!?」
でも、もう遅い!
あたしの渾身の助けを求める叫び声に呼応するかのように、『現実逃避』があるArea 51島の地面におびただしい数の紺色の点が集結してきたのだもの。
所々にだけど、あたしの友達を示す橙色の光点も含まれているのは嬉しい。
ここまでが、pm22:34の出来事でした♪
やっぱりボッチは堪えます・・・
でも、やっぱりボッチになりやすいというか☆
ボッチ体質?←