異世界召喚-ⅱ
「…うぁっ…はぁ…っくそ、」
なんだよ、これ。何がどうなってんだよ…っ
(お願いっ…!)
ジジジッジジ。
電子音と流れるこの子の声は、なんだ。
聞いたことある筈なのに、思い出せないのは何故だ。
このゲームからか
「声っが……」
この、ゲームから…っ。
圧力に押しつぶされて地面に這い蹲う体勢で、投げ出されたゲーム画面にやっとの思いで指先を触れる。
とにかく、ミーナをっ
「召かーーっ…」
…召喚?
* * *
ガヤガヤとうるさい背中。
人っ子1人いない正面。
あれ、俺確か倒れたままだったんじゃーー…。
「っ…え」
振り返ると、目の前に広がるのは、
町。町。町。
いやいやいや、さっきまで人っ子1人…
「はぁ?!」
正面に体を戻すと、町。町。町。
360度、似た景色が広がっている。
「はぁぁぁあっ!?」
なんじゃこりゃ!意味わかんねぇよ!
頭の痛みは…消えてる!
声も聞こえねぇ!
固定されたように持っていたゲーム機もない。
「そうだ!空!………は?あ、青い…。」
おおおお、おお落ち着け俺!!
そう、話されているのは日本語。
よしOK。
これで言葉は通じるな。
つーかここ、何処だよ…
服もブレザーのまんま。
持ち物もまんま。
変わったのは景色と人?
舞台はロンドンか?英って所か…。
は?ロンドン?随分と古風だなぁ
さっきまでの出来事を冷静に思い出す。
ゲームの舞台は英…。
もしかして、これって…。
そのもしかしてか?!
これって…まさか、
「異世界召喚ーーー?!」